計画を立てたはいいけど、なかなか思うように進まない
まず初めに、計画を実行に移そうと試みた自分を褒めてあげてください。あなたは計画を立て、一度は実行に移すことができたのです。
効率的な勉強方法のためには学習計画を立てることが先決ですが、立てたとしても上手くいかずに立ち止まってしまう人は大勢います。ベネッセの調査によれば、7割の中高生が勉強に進め方を見失ってしまう経験があるそうです。
ここで、勉強を問わず挑戦的な計画というものは一度も失敗せずに前に進めることは出来ないと思ってください。失敗は必然です。
進めていくうちに予想していなかった障害が発生したり、思ったより難易度が高くて当初想定していた期限以内に第一目標を達成することが困難になるケースは多いです。
打開策の結論から先に述べると、以下の事ができているか確認しましょう。
学習計画を進めるための秘訣4点
- 壁に当たったら、うまくいかない原因を突き止めて改善策を実行すること
- 計画に固執せず、壁に当たること、やり方を変えることに恐怖心を抱かないこと
- あなたが信頼する先生に相談すること
- 計画を進めることをあきらめないこと
思うように学習計画が進まないときに実践する5つのこと
それぞれ順番に解説しましょう。
失敗原因の究明と方向転換
計画進行の大前提となるのが、無理のない計画です。どこで失敗したか、何が難しかったかを特定して次に生かしましょう。
難しすぎると、当然ながら達成できません。達成できないまま放置すると、計画は崩壊します。失敗した原因を精査し、迂回路を見つけて次のステップまでの足掛かりを作ることで、当初の目標を達成します。具体例を交えてみてみましょう。
例えば一日英単語100個を覚えることを目標にしたとしましょう。よく何度も書いて発音して覚える方がいます。すると短くても1個あたり3分はかかるでしょう。100個だと5時間かかります。でも次の日に暗記テストをすると3割覚えていたら良い方でしょう。70個は忘れているんです。また新たに100個覚えようとすると、その日は170個覚えることになります。そして、一日100単語覚えるという計画はわずか2日で破綻することになります。
この場合、考えられる原因は2つあります。
- 覚える効率が悪い
- 一日に覚える英単語の数が多すぎる
高効率で暗記することに慣れている人であれば、1日100個の英単語をもっと短時間で覚えることは可能です。もちろん時間経過とともに忘れていきますが、効率的な記憶定着法が身についている人であれば無理なく計画を進めることができます。しかし慣れていなければ、1日20個でも難しいでしょう。まずは「1日100個の英単語を覚える」という目標から「効率的な暗記方法をマスターするために、一日に覚える英単語の数を10個から100個まで段階的に増やしていく」とすれば、最終的に「1日100個の英単語を覚える」という初期の目標は達成できます。つまり、解決策は次の通りです。
- 効率的な暗記方法を身に着ける
- 一日に覚える英単語の数を減らす
当初計画していたよりも、時間をかけて迂回しないと達成できないことがわかりました。ただ、たどり着く見通しが立ちました。これは大きなことです。ですから、失敗原因を特定して回避するような迂回路を見つける。これが目標達成までの筋道なのです。
計画に固執せずに方向転換や失敗を恐れないこと
よく、今までやってきた方針を曲げることができずにそのまま貫き通そうとする人がいます。もう既に学習習慣もついて自分なりの勉強方法を確立した人に多く見られます。自分なりの学習計画に対する理論を持っていて、それである程度は成績を上げた成功体験があるがために、それを外れるとどうしても上手くいかないのではないかという保守的な考えに陥ってしまします。
しかし、非効率な方法や非効果的な方法を貫いたところで成果は出ません。従って、方針転換する勇気を持つことが目標達成には必要です。
高校生の頃の僕はまさしく固執した考えをもっていました。僕の場合は、良い大学に合格するためには発展問題を多くこなし、暗記などは持てる限りの時間をすべて勉強に注ぎ込むという物量作戦を展開していました。これで成績を上げた教科がいくつかあったので、この方法に執着してしまったんですね。弱点分析、基礎学習が疎かになっていたので割と早い段階で成績が頭打ちになり伸びなくなりました。後から考えると、成績が伸び悩んだ時に原因や解決策についてもっと真面目に向き合っていたら結果は全然異なっていたと思います。
また、計画を進めるということは、早かれ遅かれ必ず壁に当たります。何度も壁を突破しないと前には進めません。だから壁に当たることは誰もが通る道なので怖がらないでください。
いかに成功体験があろうと固執してしまっては時間を無駄にするだけです。ですから、固執せず、恐れずに方向転換を行いましょう。怖いのは分かります。一歩踏み出す勇気を持って下さい。
学校や塾の先生にアドバイスをもらうこと
あなたの近くにいる指導者は、あなたの学習状況についてよく把握しているはずです。ですから先生にアドバイスを求めることで、今あなたに必要な助言をしてくれるでしょう。
ただ、先生に「なんかうまいこといかないんだよね」という体で話を切り出すのはおすすめしません。今あなたに必要なアドバイスは、「今自分が間違っている方向に進んでいるのか、それとも正しい方向に進んでいるのか」です。
「うまくいかないんだよね」という質問に対して、きっと先生は「こうしたらうまくいくよ」という先生なりの答えを返してくれるでしょう。しかし、「自分はこう考えているけれども、これは正しいのか、間違っているとしたらどこが間違っているのか」という一歩進んだ質問をすることで、より具体的なアドバイスが得られます。
特に次の項目を整理して聞くようにしましょう。
- もともと計画していた学習計画の全体像
- どの段階でつまづいたか
- 自分が考えるつまづいた原因は何か
- 自分が考える解決策は何か
これだけ情報が揃っていると、先生もあなたの考えが正しいか否か答えやすいでしょう。つまり「今の自分の方針は正しいですか」という問いに対して“YES or NO”で答えられる形まで落とし込んで聞くことがポイントです。勿論先生はそれ以上に今後どうすれば良いかアドバイスをくれるでしょう。
また、複数の先生に同じ質問をした方が良いです。人によって信念や成功体験は異なるので、あなたがしっくりくる解決策が得られる可能性がグッと上がります。
諦めないこと
簡単な言い方ですが、計画を諦めないことが一番肝心です。
諦めたら計画は崩壊し、また計画を立てる前の闇雲の中に戻ります。自分が計画を立てた経緯や、目的や目標を立てた時の事を思い出してください。何か変わろう、変えようとして奮起したはずです。
壁に当たりすぎて疲れてしまったら、少しだけ気分転換や休むことも大事です。
だけどまた戻ってこなければいけないことは忘れないでください。達成が難しい挑戦的な目的や目標を立てるということは、自分の時間を全て捨ててでも取り組むほどの覚悟がいるものです。なんとしてもやり切ってやるという覚悟を忘れないでください。
思うように学習計画が進まないときのまとめ
計画を立てる、壁に当たる、原因を究明して回り道を探す、という流れはこの先何回もたどらなければいけない事です。
迷ったら学校や塾の先生に自分の方針が間違っていないか、効率的に正しい方法なのか確認しましょう。
しかし、一度自分なりのやりかたが身についてしまうと、それに固執してしまうことがありますので、いつでも柔軟な発想を忘れないでください。
うまく行かないことが続き、どうしてもしんどくなることもあるでしょう。しかし、諦めずに突き進むことが一番肝心です。あなたが定めた夢、目的は簡単に達成することはできません。だからこそ意味があり意義があるのです。自分が持てる全ての時間をかける覚悟をもって挑んでください。
それでは諸君、検討を祈ります。
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