勉強しなさいと言っても、宿題すらやらない
ようやく机に向かったけど、またゲームやってる!
そんな子どもは多いです。
学校の成績を上げるためには、目標を立てて計画的に目標に向かってアプローチするとが重要です。しかし、勉強自体に興味が無ければそもそも目標を立てることもできません。先生や親が無理やり目標を立てたとしても、それは親や先生が立てた目標であって子ども本人が立てたものではありません。従って、当然その目標は達成されないでしょう。
好奇心、探求心、ハングリー精神、こんな言葉を子どもに叫ぶ親も多いですが、叫んだところで変わりません。それではどうすれば良いのでしょうか。心理学の面も兼ねて、まずは好奇心が発生するメカニズムから見ていきましょう。
勉強に興味を持つための条件3点
結論から言えば、それは「知識」と「成功体験」です。
何言ってんだこいつは。そう思うかもしれません。
興味も無いのに知識なんて有るわけないじゃないですか。うちの子ずっと平均点も取ったことないのに成功体験なんて有るわけないじゃないですか。そんなもんあったら苦労しませんよ。
でもね、この二つのうち一つは必須なんです。興味が無くて今までインプットも成功体験もゼロな人に、どうすればこの二つが両方とも手に入るかこれから解説します。
興味を持つための「知識」を蓄える方法
まずは何故興味を持つために知識が必要かについて説明します。
基本的に、人は知識がゼロな分野に興味はありません。
例えば皆さんの中には宇宙に興味を持ったことがある方が居るかもしれません。太陽系というものがあって、その中に地球があって、地球は太陽の周りを回っているという知識は、皆習ったことがあると思います。しかし宇宙観測で基本的な「宇宙マイクロ波背景放射」について説明できる読者ってほぼ居ないと思います。この場合、宇宙について多少の知識はあって多少の興味は持ったことはあるかもしれませんが、進んで勉強するほどの興味が無いということを示しています。
そして、知識がゼロな分野で挑戦しようと思うと、当然誰でも不安を感じますよね。
子どもも同じです。勉強する習慣が身についていないと、知識が乏しいです。知識が乏しいと、興味は沸きません。そして知識が乏しいと、その教科や勉強そのものに不安に感じます。逆に知識が増えれば、興味が出てきます。さらに不安感も徐々に払拭できます。
知識を増やすことで興味が増し、不安が少なくなるというメカニズムは心理学でも知られています。
余談ですが、きっと宇宙マイクロ波背景放射を知ると、ビッグバンや宇宙の成り立ち、はたまた宇宙誕生の初期に発生した相転移「自発的対称性の破れ(2008年ノーベル物理学賞、南部陽一郎)」も知りたくなること間違いなしです。
とにかく何でも「面白いな」と思ってみる
好奇心を向上させる方法の一つとして、とりあえず何でも意図的に「面白いな」と思うという方法があります。例えば、授業中の先生の話を「もしかすると興味深いことを言っているのかもしれない」という気持ちで耳を傾けて下さい。さらに、積極的に質問することも重要なポイントです。何でも知るつもりで聞いてみて下さい。「この科目って将来何の役に立つんですか?」「先生がこの教科を教えるきっかけになった出来事は何ですか?」とか、授業内容に直接関係が無いことでも良いです。授業後に「今日の授業全部分からなかったんだけど」と尋ねてみるのも良いかもしれません。分からない事を一通り質問することで、教科に対する知識が増えます。この様になんでも興味を持ってアプローチすることを、心理学では拡散的好奇心などと言うそうです。
勉強が苦手で、授業について行けていない子の場合「何が分からないのかも分かっていない」状態にあることも多いです。とにかく何でも質問して、知識を少しでも増やすことが大事です。
恥ずかしくて聞けないという子も居ます。恥を忍んで聞くことには勇気がいることだし、人によってはその壁は超えることが出来ないほど高く感じるものです。その場合、保護者が質問できる環境を整えてあげることで、最初の壁のハードルを下げることも必要かもしれません。初めの壁を越えることができれば、次はもっと高い壁を越えられるようになります。徐々に慣らしていきましょう。
もし、それでもどうしても難しい場合は、少しでも問題を解いて自分がどこが分からないのか把握することも効果的です。学校や塾では問題集を扱っているところも多いでしょう。まずは配られている問題集を最初から数ページだけ解いてみて、知識を増やしましょう。
興味を持つために「成功体験」を積み重ねる方法
例えば成績を向上させた成功体験がある場合と無い場合では、勉強に対する興味や不安の度合いが異なります。でも中学生の頃の僕のように、全教科一度も平均点を取ったことが無い場合は絶望的です。成功体験なんてあるはずがありません。ただ、経験は自分だけが積まなければならないものではありません。何を言っているのかといえば、人は他人の経験を疑似的に体験することができるのです。
よく営業マンにあるそうですが、まず最初に新卒で入った新入社員が一人で客先へ商談に行くことはありません。その理由の一つとして、同行したベテラン営業マンが商談で良い結果を出して、新入社員に疑似的に成功体験を身に着けさせることが挙げられるそうです。ここでもし失敗してしまえば、失敗経験が身につくそうです。なので、入社間もない営業マンは成功する可能性が高い商談の場に、ベテラン営業マンと共に何度も行くことが多いそうです。
このように、身の回りの人が体験した経験を疑似的に体験することを行動心理学では代理体験と呼ばれています。
これはドラマやアニメ、映画を見ている中でも発生し、疑似的に主人公の経験や感情を体験することができます。
つまり、子ども自らが成功体験を得ていなくても、親や映像作品、本などから得ることが出来ます。保護者も一緒に勉強することや、勉強に関する作品に触れるだけでも成功体験を積み重ねることができるのです。
できるだけ子どもの学習内容と近いTOEICなどの英語の勉強を、子どもと一緒にしてみるというのも良い手かもしれません。
いい先生と出会い、勉強に興味を持つ
詳細はまた別の記事で書くつもりですが、先生の役割は教科の内容を解説し、かみ砕いて教えること以外にも、担当教科に興味を持ってもらうことでもあります。いい先生は担当教科に興味をもってもらうために、いくつもセールストークを用意しているものです。こんなところが面白いんだよ、こんな場面で役に立つよと、自信では想像もつかない良い答えが返ってくるかもしれません。そしてそれが、自分のやる気につながることも多いです。
学校の先生や塾の先生を捕まえて質問攻めにするのも良い手です。質問されて嫌な先生はいません。居たとすれば、その人は先生に向いていないでしょう。
大学の学生が先生を務めている塾も多いですが、できればキャリアが長いプロの先生に聞いてください。きっと求めていた良い答えが返ってくるはずです。
ぜひ実践してみてください。
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