家庭じゃ何時間くらい勉強させればいいの?
家庭学習を習慣化するにあたり、まずは目標となる時間を把握することは大切です。
もちろん勉強時間だけが成績に影響するわけではありません。効率も大切です。しかし普段の学習時間がゼロだったり、30分だったりと明らかに足りていない家庭が多いのは事実です。まずはご家庭の学習時間を今一度確認しましょう。
勉強の効率化は最低限の勉強時間の習慣化ができてから考えることなので、まだ最低限の時間が勉強に割けていなければ少なくとも最低ラインまで勉強時間を延ばすことが求められます。
家庭学習に割く時間は、学年や受験期か否かによって異なります。例えば小学校1年生と高校3年生では、家庭学習に必要な時間は雲泥の差になります。ひとまずここでは、毎日学習する習慣を身に着けるにあたり、最低限達成すべき勉強時間について解説します。
そして家庭学習で何を優先的に学習すれば良いか分からない方に、毎日やるべきことを記します。
習慣的な家庭学習に割く勉強時間の目標
まず、そもそも学校のみんなはどの程度勉強しているのでしょうか。
少し古いですが、一日当たりの学校以外で勉強している時間について、2018年にベネッセ教育総合研究所が東京大学社会科学研究所と実施した調査の結果を引用します。
これはアンケートに回答した件数の平均値を示したもので、成績が低い人や高い人も含まれています。受験期である中学3年生、高校3年生が他の学年よりも高いことがわかります。小学6年生は受験しない人もいるので小学5年生と比較して増加率は他の学年とあまり変わりませんが、特に受験期である中学3年生や高校3年生は突出して勉強時間が長いことがわかります。
また、高校生の場合は4年制大学に行きたい人のみの集計ではなく、専門学校や短期大学を志望校としている方も集計に入っています。従って高校生の場合でそこそこ良い4年制大学を目指す場合は、少なくともこの数字の倍は勉強に割きましょう。
繰り返しますがこれは平均値ですので、成績上位に入ろうと思えばこれよりも長い時間の勉強習慣を身につけましょう。ここに示している数字は飽くまで最低限達成しなければならない数字と考えてください。もしこれより低い数字の場合は、そもそも学習時間が足りていませんので勉強時間を増やしましょう。
ご家庭によっては塾に通われていない場合や、宿題が簡単な日もあるでしょう。だからといって、上の表の緑(学習塾)や赤(宿題)の時間帯を削って良い理由にはなりません。毎日決まった時間学習することは成績向上につながることが証明されています。グラフの数字に少し足して、以下の時間を目標としましょう。
僕としては小学校中学年までは、友達と遊ぶことや家族と過ごすことに時間を割いて欲しいです。従って、ここでは小学5年生以降の目標について記します。
成績上位を目指すために割く最低限の勉強時間
- 小5:2時間
- 小6:2時間
- 中1:2時間
- 中2:2時間
- 中3:3時間
- 高1:3時間
- 高2:3時間
- 高3:5時間
高校生の場合、これはそこそこ偏差値の高い大学を目指すための最低ラインとして考えてください。この時間を勉強に割いていても、特に進学校に通っている方は成績が上位にならないことがあります。その場合勉強時間をもう少し増やすか、勉強の方法を見直しましょう。
成績上位者が行っている習慣的な勉強内容
目標時間は分かったけれど、何をやればいいの?
成績がいい人はどのような勉強をしているのか、気になる方もいるでしょう。
塾に通っているからでしょうか。
違います。僕は数多く塾に行きましたが、「塾に行く=成績が上がる」という方程式は成り立ちません。また、成績アップのための条件が塾に行くことではありません。塾は飽くまで成績アップのためのきっかけを作ってくれる補助的な場所であって、決して塾に通ったとたんに自動的に成績が上昇するような仕組みはありません。
では何をすればいいのでしょうか。成績が下層の生徒と上層の生徒の明確は違いは、家庭学習の内容にあります。それは、宿題以外のことに取り組むことです。もちろん宿題を終わらせたから取り掛かってくださいね。
宿題以外のものとは何かと言えば、予習や復習です。どちらが大切かといえば、復習です。なぜなら人間は必ず忘れるからです。理解したつもりでも、復習することで忘れていた分野理解力が増します。復習をおろそかにする人の成績は、絶対に伸びません。
多くの学校では教科書以外に問題集が渡されます。よくワークと呼ばれていますが、それがよく宿題として出されていると思います。ワークで出題されている内容は、教科書の内容とよく一致しています。学習習慣が乏しい子は、まずワークを活用しましょう。ワークをもう一度初めから解きなおすことは復習となり、まだ学習していない範囲を解くことは予習となります。また後で復習するために、ワークには直接書き込まないことをお勧めします。
教科書やワークを侮ってはいけません。これらは教科の基礎を網羅しています。ワークの内容を完全に理解できれば、成績は間違いなく飛躍的に伸びます。他の発展した内容を学ぶ場合でも、基礎ができた上で学ぶのと基礎がガタガタな状態で学ぶのでは理解の定着が全く異なります。
僕の経験から言えることは、勉強とは基礎の積み重ねです。基礎の定着が一番大事です。ですから、ワークと教科書を飽きるほど読み込んでやりこんでください。飽きるほどやりこんでいる人で、成績が悪い人はいません。ワークに直接文字を書いてしまっていて、復習に使えないというのであれば、もう一度購入しなおすことも検討してください。それくらい大事です。
もしワークを十分にやりこんでいるのであれば、学校では成績上位層に食い込んでいるはずです。しかしやり飽きてしまって、どうしても簡単すぎて物足りないのであれば、問題集を本屋で見つけましょう。塾に通っている場合、テキストがあれば初めから解きなおすことや、まだ習っていない範囲を解いてみましょう。Z会などの通信教育も非常に効果的です。
勉強は主に復習が大切です。何回も同じ問題集を解くことは、成績アップに効果的です。何度も何度も解きなおし、記憶を定着させましょう。
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