中学入試

【内申点の対策】茨城県立中学入試の調査書の対策ポイントを解説

県立の中高一貫校では、調査書の点数が加味されます。この記事では調査書に書かれること、そして対策ポイントを元塾講師が徹底的に解説します。

コビー
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こんな人にオススメの記事です!

  • 茨城県立中学を受ける方
  • 調査書の対策方法を知りたい方

筆者の紹介

コビー
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コビーです!

6年ほど塾講師を務めていました。進路相談に関する経験と実績があります。経験を活かして、あなたに有益な情報をお届けできるように頑張ります!

それではいきましょう!

茨城県立中学入試 調査書の注意点3つ

2025年茨城県立中学入試の提出書類の一つ、調査書の様式
2025年入試要項より抜粋

茨城県立中学入試で実際に提出される調査書です。A、B、C、Dの4つの項目で評価されますが、A「各教科の学習の記録」だけが内申点に直接影響する項目です。念のため、その他の項目について軽く触れましょう。

項目内容
A「各教科の学習の記録」内申点に直接影響ある項目、後ほど解説
B「総合的な学習の時間の記録」学校の授業内容、評価には特に影響しない
C「特別活動の記録」活動内容、評価には特に影響しない
D「欠席の状況」欠席が10日以上あると評価に影響する場合あり、後ほど解説
調査書の各項目の内容

まずはA「各教科の学習の記録」について解説を進めます。

小5と小6が評価対象

県立中学に提出される調査書では、5年、6年生の、9科目全ての教科の評定が内申点に影響します。

評定は1~3の三段階評価で評価されますから、3 x 9 x 2 = 54点満点です。

内申点の計算では9教科は均等に評価され、主要科目もそれ以外も比重が変わることはありません。例えば算数と音楽の成績は同等に影響します。主要科目だけ頑張って、それ以外の科目は手を抜いて良いわけではありません。

調査書は小5~6年までの9教科の評定、54点満点です

調査書では差が付きにくいって本当?

県立中学入試では、調査書で大きな差がつきにくいことは本当です。しかし舐めてかかると危険だという理由を説明しましょう。

評定は1~3の3段階評価ということは前述の通りですが、通常は2か3しかつきません。不登校で全く学校に行っていないなど、余程の事がない限り評定1はつかないのです。

つまり普通に登校している場合、内申点の最低点は36点( = 2 x 9 x 2)です。内申点は54点満点、満点と最低点の差は18点です。中学入試ではさらに点差が小さくなります。志願する学校によって換算式が違いますが、例えば水戸一高附属中では内申点は30点満点に換算されるため、満点と最低点の点差は18 x 30 ÷ 54 = 10点です。

このように評定の最低点が高いことが、適性検査や面接と比べて調査書は点差がつきにくいと言われている理由です。

しかし倍率3~4倍が普通の県立中学入試では、1点が命取りになります。10点の差はかなり大きいと思ってください。全く対策せずオール2で入試に挑む場合、適性検査で他の人よりも3問も多く正答しなければなりません。

調査書の点差は命取りになるレベル。調査書は必ず対策すべし!

学校毎に調査書の点数は変わります。詳細は下の記事に書いているのでご参考ください。

合わせて読もう

6年生はなるべく欠席を避けること

6年生のみ欠席の状況を記載します。10日以上の欠席がある場合は理由を書かなければなりません。病欠など理由が妥当でない限り学校は欠席しないようにしましょう

公立校は継続的に学校に通うことができる体力、精神力を重視しています。欠席数が多い場合、正常な学校生活を送ることが出来ないと判断されてしまうかもしれません。

小6は欠席しないこと!

調査書の評定を上げるポイント4つ

文科省が定める児童指導要録の様式。ここから茨城県立中学入試の調査書の内申点が算出される。
文科省が定める児童指導要録の標準様式

調査書の評定は、児童指導要録の「各教科の学習の記録」から転記されます。つまり、この表の左半分について対策しなければなりません。

評定の決め方を知ろう

評定3を勝ち取るのはクラスで1割程度です。30人クラスなら3人だけですね。

通知表には3つの評価欄、「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」があります。評定3を取るには、A評価を2つ以上とりましょう

テストで100点をとったからといって、評価がAになるわけではありません。ペーパーテストは評価基準の一つでしかなく、テスト以外にも生徒のアウトプットが評価されています。授業中の発言や提出物などから、生徒の理解力や思考能力を図るのです。

つまりテスト対策だけでなく、提出物、授業をよく聞き理解すること、グループディスカッションで積極的に発言すること、忘れ物をしない事など総合的に対策することが求められます。

テストだけでなく幅広い対策が肝心です

毎日勉強する習慣をつけて基礎学力を上げよう

一番大事なことは授業を理解する学力を身に着けることです。授業を理解すればテスト対策にもなり、授業中に求められるアウトプットにも対応することができます。

そのためには、毎日学習する習慣を身に着けることが最も効果的です。

最低でも1時間は毎日自宅で勉強する習慣をつけましょう。毎日の自宅学習は、大学入試では必須のスキルですから今の内から慣れておくことを強くおすすめします。

勉強の習慣化は全てのベース!

忘れ物をなくそう

特に注意したいのは提出物の忘れ物です。宿題の進捗を把握管理することが効果的ですが、毎日管理するとなると保護者も大変です。宿題を忘れがちな場合は焦らず、まずは毎日の学習習慣を身に着けるところから始めることが効果的ですよ。

学習習慣を身に着けるには、個別指導塾や家庭教師がおすすめです。

他にも教科書やノート、筆記具などの忘れ物にも注意を払いましょう。忘れ物を頻発すると、「主体的に学習に取り組む態度」の評価が下がることが懸念されます。

基本に立ち返り、毎晩寝る前に翌日の準備ができているか、保護者と一緒に確認することが大切です。

忘れ物ゼロ!宿題出し忘れゼロ!

積極的に発言しよう

「授業に参加すること」が評定を上げるための大前提です。3つの積極性がポイントです

授業に参加するポイント

  • 積極的に質問する
  • グループディスカッションなどで、積極的に発言する
  • 積極的にノートを取る

『理解しよう』という主体性がなければ、上のポイントは満たせません。まずは気持ちを改め、『理解したい』という気持ちをもって授業に挑むようにしてください。

授業には、積極的に『参加』しよう

茨城県立中学入試 調査書の内容まとめ

調査書の点数は、適性検査や面接と比べて点数差が出にくいです。しかし1点が命取りになる世界ですから、油断せず必ず対策しましょう。

調査書はテスト対策だけで何とかなる単純なものではありません。評定を上げるポイントはいくつかありますが、一貫して言えることは『授業を理解しよう』とする主体性です。

日々の学習進捗や宿題の管理など、保護者だけでは対策が追い付かないことが多々あります。個別指導塾や家庭教師では生徒一人ひとりの状況に合わせた学習プランを組んでもらえますから、無理せずに利用しましょう。

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