
国語って対策がよくわからないんやが・・・

本を読めば解けるようになるって言っても今更間に合わんで・・・
苦手な人でも簡単に点数アップが期待できる方法があるので紹介しましょう

国語が得意な人は、中学生でも大学入試の共通テストですら簡単に解けてしまいます。
普段から様々なジャンルの本を多く読んでいて、様々な文章構成に触れている人は国語が得意だという話は有名ですよね。
一方で国語が苦手な人は、読んでいる途中で集中力が切れてしまい、注意力が散漫してしまうから点数が伸びません。
文章に慣れることも、集中力を最初から最後まで持続させることも、今すぐに身に着けることができるスキルではありません。
国語が苦手な人は、大事な部分の前後だけ集中力を高めて読む方法を身に着けることが必須です。

どこが大事な部分かわからないんだけど
傾向を知ることで大事な部分が見えてきますよ

試験には傾向がり、対策することができます。
国語が苦手な人ほど、傾向を熟知することで大事な部分が見えてくるので、点数アップが見込めます。
今回は過去3年分の出題傾向を紹介し、大問ごとの傾向や効果的な対策方法について紹介します。
目次
茨城県高校入試、国語の難易度と出題内容の傾向

国語の得点分布と平均点の推移


上の図は過去4年間の国語の試験について、得点ごとの人数割合と平均点を図示したものです。
実施年度によりますが、毎年約16000人程度が受験しています。縦軸は総受験者数を100%としたときの人数の割合を示したものです。
2022年以降では、高得点者の人数が減少しているため、国語の試験は年々難化傾向だということがわかります。
さて、2022年のグラフだけが、他の実施年度の点数分布と比較して極端に高得点の人数割合が多いことがわかるでしょうか。
これは2021年に大規模な採点ミスが発覚したため、再発防止としてほとんどの記述問題が全試験科目から姿を消したことが原因です。
もともと茨城県は他県と比較して記述問題が多い傾向がありましたが、これにより難易度が激変し、国語では1000人以上も満点者が出る異常事態となったのです。
恐らく採点ミスの事後処理、再発防止案の策定に時間がかかり、問題の難易度の調整や検討が不十分のまま試験が行われたものと推測します。その証拠に2023年では問題内容が改善され、得点分布も正常に戻りました。
では、実際に記述問題の数はどのように変化したのでしょうか。
国語の記述問題数の推移

このグラフに示すように、2021年までは記述問題の配点が約半分を占めていましたが、2022年度では漢字の読みに関する問題が3問だけ出題されました。
それから2023年には記述問題数が10問に増え、例年並みに戻りましたが、配点数は30点台に留まっています。
記述問題の内容も2021年前後で大きく変わりました。
2021年以前は作文など回答が1つに絞られない自由記述式の問題が多く見られましたが、2023年では本文から抜き出すなど、自由記述式の問題が一切消えました。
しかし2024年には1題だけ自由記述式の問題が復活しています。
内容は25文字以内で、決まった語句を使って手紙を送る相手の安否を尋ねる一文を作成するものです。
今後も徐々に自由記述式の問題が復活すると推測していますが、採点ミス防止の観点から、30文字程度の短文を作成するものに限るでしょう。
小説、随筆、古文の文章量の傾向
文章量が多いと読み終わるまでに時間がかかるため、文章量は試験難易度と直結する重要な要素です。
過去3年間の設問ごとの文章量をまとめました。
項目 | 2024年 | 2023年 | 2022年 |
小説【本文①】 | 2ページ | 2ページ | 2ページ |
小説【本文②】 | なし | なし | なし |
小説全体 | 2ページ | 2ページ | 2ページ |
随筆【本文①】 | 2.2ページ | 1.6ページ | 1ページ |
随筆【本文②】 | なし | 1ページ | 0.3ページ |
随筆全体 | 2.2ページ | 2.6ページ | 1.3ページ |
古文【本文①】 | 8行 | 6行 | 5行 |
古文【本文②】 | 2行 | なし | なし |
古文全体 | 10行 | 6行 | 5行 |
文章量という点から傾向を分析した場合、小説は変化がなく、古文は年々増加しています。
随筆は2023年から2024年にかけて総文章量は0.4ページほど減少しましたが、2024年度は本文1題あたりの文章量は過去3年間で最長です。
つまり1つの本文を理解する難易度は、2024年が最も高いことがわかります。
茨城県高校入試 小説、随筆、古文の傾向と対策

国語は「一般常識」「小説」「随筆」「古文」の4つの大問で構成されます。
この節では、2022年、2023年、2024年の3年分の出題内容に基づいて、それぞれの傾向について紐解きます。
2023年以前では、「小説」、「古文」、「随筆」、「一般常識」の順でしたが、2024年から順序が変わり、「一般常識」、「小説」、「随筆」、「古文」の順番になりました。
「一般常識」では手紙の書き方、宛名の書き方、漢字、行書体など国語で習得する一般的な内容について出題されます。
漢文は「一般常識」に混ざって出題される年もありますし、「古文」の一部として出題される年もあります。
「一般常識」では特に行書体、手紙の書き方は頻出ですから優先的に対策しましょう。
ここから、小説、随筆、古文に関連する傾向について解説します。
小説の出題傾向と、注目すべき本文の要点

小説では登場人物の気持ちを読み解くよ。
他人の気持ちとか分からんわ。事前に小説の内容が知れたらいいのに。


実は出題される物語には傾向があるんですよ。
小説の近年の傾向では、登場人物の1人が、ある出来事を通して、ある理由により、ある感情になるストーリーが展開されます。
重要な傾向が5つあります。
傾向では、たとえば複数人の心に焦点が当てられること、登場人物の気持ちが物語を通して変化することはありません。
さらに、心に焦点が当てられている人物は、ただ単に意地悪な人、他人の気持ちを考えない自己中心的な人ではなく、何かやらかしていても、根は優しい人です。
対策として、「出来事」「心境描写がある人物」「その人物の気持ち」「なぜその気持ちになったか」に注意して読みましょう。
具体例を示すために、対策に記した4つの要点を年度ごとにまとめました。
実施年度 | 出来事 | 誰の気持ちか | どんな気持ちか | なぜか |
2024年 | 文芸部の主人公が後輩から文芸の才能が無いと言われる | 主人公 | 諦めきれず、心が痛い | 主人公は才能がないことを自認しているが、後輩に自分のコンプレックスを刺激されたから |
2023年 | 主人公が友達Aさんを「歌が下手」だと言って泣かせた | 主人公 | 自分が情けない | 自分が放った悪口に屈せずに頑張るAさんと対比して、主人公は何も頑張れていないから |
2022年 | 友達A君が指を骨折 | 友達B君 | 自分が嫌だ | B君はA君の才能に嫉妬していて、A君が骨折したことを喜ばしく思ってしまったから |
気づくかもしれませんが、心境が描写される人物は心が優しいです。
2023年の主人公は悪口を言って登場人物のAさんを泣かせましたが、ただの意地悪な人だったら「自分が情けない」とは思いませんよね。
また、2024年のBくんも、Aくんの骨折を一時喜びましたが、すぐに後悔して自責の念を抱いています。
このように、傾向の5項目にも記しましたが、心境描写がある人物は基本的に心が優しいです。
これも読み解くポイントの一つになるので、覚えておきましょう。
以上で説明した通り、「出来事」「心境描写がある人物」「その人物の気持ち」「なぜその気持ちになったか」の4つの要点を押さえて読むことで内容が理解できます。
要点の部分は集中力を高めて読み、要点以外の部分については読み流し程度にとどめることで、集中力を温存しながら読み進めることができます。
随筆の出題傾向と、注目すべき本文の要点

長いし、よくわからないし、集中力が続かない
読みなれない言い回しが多いため、集中力が切れがちです。大事な部分だけ注意して読もう!

随筆の重要な傾向をまとめました。
大問のテーマは複数のテーマに触れることはありません。
1つめの本文で、テーマに対して1つの結論が示されます。
過去3年分のテーマと結論について、具体的にまとめましたのでご覧ください。
実施年度 | 本文の役割 | 大問のテーマ | 本文のテーマ | 筆者の結論 |
2024年 | 1題のみ 結論を導出 | 建築を構成する要素は何か | 建築を構成する要素は何か | 「強度」「機能」そして芸術的な「美しさ」の3つである |
2023年 | 1つ目 結論を導出 | 視点を変えて物事を見る | 視点を変えることのメリットは何か | どんな問題でも解決の糸口を見つけることが出来る |
2023年 | 2つ目 具体例を示す | 視点を変えて物事を見る | どんな仕事にも特有の苦労がある | 面倒くささが仕事のやりがいを生んでいる |
2022年 | 1つ目 結論を導出 | 生物多様性 | 生物多様性が人類にとって重要な理由 | 種の進化を保証するため |
2022年 | 2つ目 具体例を示す | 生物多様性 | 絶滅危惧種を守るとはどういうことか | 自然環境を保全すること |
特に読解が難しいのは一つ目の本文です。
なぜなら慣れない言葉や難解な言い回しが続くため、途中で話の流れについて行けなくなりがちだからです。
また、1つのテーマが複数のテーマに細分化され、話題が頻繁に切り替わることも難解な理由の一つです。
例えば2024年を例にとると、「建築の構成要素とは何か」というテーマに対して筆者は「強度とは何か」「機能とは何か」「美しさとは何か」という主に3つのテーマに細分化し、それぞれのテーマに対して主張を展開し、「「強度」「機能」そして芸術的な「美しさ」の3つである」という結論を導きます。
対策として、今読んでいる段落のテーマは何か、そのテーマに対して筆者は何を主張したいのか、意識しながら読むことで読解しやすくなります。
テーマと主張が書かれている場所だけ集中力を高めて読むことで、集中力を持続した状態で読み切ることができます。
古文の出題傾向と、注目すべき本文の要点

古文は現代語訳が多くつくため、簡単だと言われています。
しかし年々文章量が増えているため、素早く解かなければ時間切れになりがちです。
まずは出題傾向を紹介します。
古文では「テーマ」と「人物」、「行動」の3つに着目しましょう。
毎年必ず中心となるテーマ、中心人物(動物の場合もありますが)、そして中心人物がとる行動に焦点が当てられて出題されます。
したがって、テーマは何か、中心人物は誰か、その人(動物)がどのような行動を起こしたかの3つを探るように本文を読み進めましょう。
過去3年分の出題について、要点をまとめましたのでご覧ください。
出題年度 | テーマ | 中心人物 | 行動 |
2024年 本文① | 老馬の智 | 源義経 | 山奥で道に迷ってしまったが、年老いた馬を先に歩かせることで道を見つけることが出来た |
2024年 本文② | 老馬の智 | 管仲(昔の中国の政治家) | 道に迷ったが、年老いた馬を先に歩かせることで道を見つけることが出来た |
2023年 | 人は自分に不都合な事は覚えていないものである | 修行僧 | 中心人物は、自分は生まれて今まで怒ったことが無いと言うものの、些細なことでブチ切れてしまった |
2022年 | 効果的な助言 | ある男 | 中心人物はライバルについて非難ばかりしていたが、ある人の助言を聞いてから、努力することで自信の能力を向上させ、人間としても成長した |
2024年は本文が2つ出題されていますが、両方ともテーマと行動は同じです。
小説や随筆でも同じことですが、同じ大問内ではテーマは変わりません。
今後も複数の本文が出題されるかもしれませんが、少なくとも出題のテーマは同一であるということを念頭に入れておくと、理解しやすいです。
主語が省略されて行動の主体が分からない場合、動詞に着目しましょう。
古文では身分の高い人と低い人が出てきますが、身分が高い人の動作は尊敬語になります。
尊敬語を見るだけで、その動作の主体が身分の高い方の登場人物だと分かるので、迷った場合は動詞に着目するとわかりやすいです。
茨城県高校入試 国語の傾向と対策のまとめ
国語は年々難化しています。
慣れない文章や慣れない言い回しが多いため、途中で集中力が切れてしまうことが、点数が伸び悩む主な原因です。
注目すべき場所で集中力を高め、それ以外の部分では読み流す程度にとどめることで、集中力を持続した状態で読み進めることができます。
特に読解に時間がかかる小説、随筆、古文については傾向をよく理解して対策をとりましょう。
それでは皆さんのご検討を陰ながら祈っています。(・ω・)ノシ