茨城県の公立高校の一般入試では、A群選抜とB群選抜によって合格者が決まります。それぞれの特徴を良く理解することが、合格への近道です。
都道府県によって選抜方法が変わります。これは茨城県の公立高校で実施される一般入学者選抜の方法を分かりやすくまとめた記事です。
この記事の信頼性
- この記事の情報は、茨城県教育委員会が公開している各種公式資料に基づいています。
- 公式資料が無く、筆者の想定で語る場合は必ず「筆者想定」と記し、公式情報とは区別します。
- 筆者の想定で語る場合は、想定する根拠を示します。
この記事を読んでほしい人
- 茨城県の公立高校を受験する子と、その保護者
- 茨城県の公立高校の選抜方法を知りたい方
この記事でわかること
- A群とB群の違いと、それぞれの選抜方法
- 一般的なボーダーラインの形
- 合格するために目指すべき点数
この記事で伝えたいこと
- 合格最低点や、ボーダーラインを目指しても合格できないことがある。
- A群で選抜されるように、内申点および試験成績ともに高得点を目指すこと。
入試では内申点と試験当日の総合得点で評価される
入試の合否は内申点と試験当日の点数両方で判定されます。
茨城県では中1から中3までの9教科の成績を均等に評価するため、内申点は135点満点です。高校入試の共通試験は500点満点です。
内申点、入試の得点のどちらも高い、優秀者ゾーンに入った受験者はもちろん合格します。この優秀者ゾーンの学生を、茨城県ではA群と呼びます。
一方で、試験当日の点数は低いものの、3年間の成績が高い生徒もいます。
逆に3年間の成績は低いけれども、逆転を目指して頑張って高得点を取った学生もいます。
図に示した優秀者ゾーンの学生しか採らないのであれば、勤勉ゾーンや逆転ゾーンに居る学生は頑張ったのに報われない結果になってしまいます。
どちらもある程度は救いましょうということで、勤勉ゾーン、逆転ゾーンの受験者をB群として選抜します。
では具体的にA群とB群はどのような基準で合格が判定されるのでしょうか。もうすこし詳しく見ていきましょう。
A群の選抜方法に関する公式情報
令和6年度の公式資料では、A群は以下の基準で選抜されます。
A群の選抜方法
- 共通試験の点数:その高校を受験する者のうち、上位から定員の80%までに入ること
- 内申点:その高校を受験する者のうち、上位から定員の100%までに入ること
例えば定員160名の高校の場合、共通試験の点数では1位から128位までの点数であること。さらに内申点では、1位から160位以内であることがA群に選抜される条件です。共通試験を基準とした合格者の割合が定員の80%なので、どれだけ多くても定員の80%までしかA群で選抜されません。
しかし実際にA群に選抜されるのは定員の80%未満になります。
なぜなら内申点が上位から定員数の100%以内であっても、共通試験で点が取れない生徒もいるからです。同様に、試験の成績が良くても内申点が低い生徒もいるからです。
次の図をご覧いただけると分かりやすいと思います。
【筆者想定】
A群で選抜された人数は公表されていませんが、実際にA群で選抜される割合は多くても定員の7割前後だと予想します。
【根拠】
共通試験の得点数で定員数の80%を選別します。その中には内申点の低い受験者も含まれます。選別された定員の80%のうち、内申点も合格圏内である受験者が90%いた場合、A群の選抜者は定員の72%にとどまります。
高得点の学生のうち内申点は低く、逆転合格を目指す生徒数が多ければA群で決まる定員割合は下がっていきます。
では、残った枠はどのように選抜されるのでしょうか。
B群の選抜方法
B群の選抜方法
- 余った定員枠は、各高校で決められた比率で、内申重視、および共通試験の点数重視で選抜される。
B群では勤勉ゾーンの学生と逆転ゾーンの学生を選抜します。勤勉ゾーンは内申重視、逆転ゾーンは共通試験の点数重視で選抜します。
各ゾーンで選抜基準が異なるので、内申重視で選抜する人数と共通試験の点数重視で選抜する人数の比率は学校毎に定められています。この比率は公表されています。
例えば水戸第一高校は令和6年度に定員数160名、B群選抜の人数の比率は内申重視:点数重視=2:8でした。
仮にA群で定員の6割が決まった場合、内申重視でB群に選抜される学生は13名、共通試験の点数重視でB群に選抜される学生は51名となります。
内申重視でB群選抜を目指す際の注意点
共通試験の点数も考慮される点に注意
内申重視のB群選抜を狙う場合、例えばオール5を取っていれば試験結果がどうであれ選抜されるのでしょうか。
【筆者想定】
内申重視でも共通試験の結果は考慮される
【根拠】
公式資料では「内申重視で選抜する」とは書かれていますが、「内申重視で選抜する際は試験結果は考慮しない」とは一言も書かれていません。
また、筆者が独自調査した結果にも基づきます。
確認のためにR6年の水戸第一高校の合格者の内申点および試験当日の総合点数を独自調査しました。
オール5でも落とされている人が居る一方で、オール5に満たないながらもB群選抜で合格していると思われる人は居ました。
つまり、内申重視といえど試験結果も考慮されるのです。
従って、あくまでも内申は重視するけれども、受験する学校の裁量によって試験結果も考慮されるということに注意してください。
この根拠は当サイトが独自で実施した水戸一高の合否調査結果です。調査結果が知りたい方は以下の記事をお読みいただけると、より理解が深まります。
内申重視枠の選抜のされ方
【筆者想定】
概ね図に示したような三角形に似た形状になる
【根拠】
内申重視なので内申点が高い学生から試験成績順に採用することが考えられること、さらに合格判定は共通試験の得点と内申点の双方を考慮するため、ボーダーラインは傾斜を描くことが考えられます。
高校によって試験結果をどのように考慮するか異なりますので、図に示した三角形よりも傾斜の緩急が異なるかもしれませんし、完全な三角形ではない場合もありえます。あくまでも参考としてください。
自分は不合格だったのに、自分よりも試験成績が悪い人が受かっているという話はよく発生しますが、これがその理由になります。
つまり、
合格最低点ギリギリを目指したところで相当内申点が高くない限り受かりません。
試験結果重視でB群選抜を目指す際の注意点
試験結果重視でも同じことが言えます。
筆者が行った調査では、近年ではありませんが共通試験で465点を取っていて水戸第一高校に落とされている学生も居ました。その方は不登校気味で、3年間通して7割程度の出席数しかなく、内申点が著しく低かったのです。
つまり、ある程度の内申点も重要ということを忘れないようにしましょう。
合否が分かれるB群のボーダー領域について
これまでに示した筆者予想に基づくと、B群の選抜領域はおおむね三角形型になると予想されます。
つまり図示した傾斜が合否が分かれるボーダーラインになります。ほとんどの場合はボーダーラインを超えていれば合格となります。
ただボーダーライン付近は、ラインから右なら合格、左なら不合格という単純なものではありません。
同じような能力ならば、より良い生徒を取ろうということで調査書の加点が考慮されます。
例えば図のA君は、生徒会長をしていて、部活でも県大会優勝など優秀な成績を残し、英検2級を所持しているとしましょう。これらは全て加点要素となります。一方でB君には加点される内容はありません。
内申点は評価基準が教育委員会によって明確に定められていますが、その他調査書の情報については評価方法が規定されていません。つまり高校の裁量によって、これらの加点が行われます。
この場合、例えA君がボーダーラインを下回っていたとしても合格となり、ボーダーラインぎりぎりにいたB君がA君の代わりに不合格になるケースもあるのです。
志望校に合格するためには
合格最低点の予想情報は近隣の塾などで出回りますが、これまで紹介した通り、合格最低点を目指したところでよほど内申点が高くない限りは受かりません。
内申点が低い場合も同様に、共通試験の点数が相応に高くなければ受かりません。
まずはA群で選抜されることを念頭に内申点、共通試験ともに頑張りましょう。
このブログでは、倍率が高い高校に絞って試験での目標点数や、内申点の情報を今後発信していく予定です。より一層読者のお役にたてるように頑張りますが、もし気になったことがあればコメントでお知らせください。
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