基礎固めが大事っていうけど、なにをやればいいの?
勉強には基礎固めが大事です。基礎ができていなければ、いくら勉強時間を増やしても成績は上がらなくなります。特に広範囲が出題される受験では、基礎の弱点が致命的になります。誰でも解ける問題を絶対に落とさないことが受験の鉄則です。でも様々なやり方がある中で、何をどの順番で勉強することが正解か、分からなくなる人がたくさんいます。
参考書、問題集、アプリ、基礎力を上げる方法は色々あります。しかし、効率的にすすめるための優先順位があります。
ここでは、「この手順でやれば間違いなく成績が上がる」という基礎を固めるのための道筋を示します。
この記事の結論
- 弱点を放っておくと成績は伸び悩む
- 模試や定期テストの結果を使って弱点を見つけ出す
- 教科書や基礎問題集を使って弱点を克服する
基礎を固めるの効率的な方法は、自分の弱点を見つけて克服することです。弱点というのは、あなたがわからないまま放置していることです。
わからないまま放置していると、いずれまた同じ間違いをするでしょう。特に基礎的な部分でつまづいてしまっていると、成績は良くなりません。
何よりもまず弱点を克服する。弱点の補強を積み重ねた人と、避けてきた人では成績の伸びしろが全然異なります。
ですから、自分の弱点と向き合って乗り越えることを避けてはいけなせん。では具体的にどのようにして成績アップを図るか道筋を見ていきましょう。
基礎固めに最も大事なことは、弱点を分析して克服すること
弱点分析とは
弱点分析とは、自分が苦手な単元をみつけて克服することです。単元とは、数学で言えば「二次関数」など教科を細かく切った区分のことです。
弱点分析の目的は基礎を固めることです。どれだけ基礎に弱点があるかみつけて、それに対処することが一番効率的な基礎力アップの方法です。
弱点は、模試や学校の定期テストの結果から見つけ出します。
学校の定期テストは限られた狭い範囲の基礎問が多く出題されます。模試では、より広い範囲の基礎問が多く出題されます。ですから、より多くの弱点を探すために模試は積極的に受けましょう。そして、たとえ結果が悪かったとしても必ずテスト結果は持っておいてください。
とはいえ、自分の弱点と向き合うのは良い気がしないものです。僕が中学生の頃、学校のテストは親に見つかる前にひっそり処分したり、模試は極力受けないようにしていました。テストは悪夢でしかなかったからです。受けるたびに問題が分からない自分が嫌になり、結果が返ってくるとまるで自分が否定されたように落ち込んだものです。悪い成績を取るのは本人の責任ではありますが、周りの先生や親が悪いテスト結果を見た時に、あれこれ悪く言う環境も悪かったです。
あなたの周りの人たちがどう悪く言っても、テストの結果は今のあなたの理解度を示した報告書に過ぎません。ただの検査結果です。その紙はあなたの人格を否定するものでも、今までのあなたの努力を踏みにじるものでもありません。あなたがこれから進むべき方向を示した羅針盤です。むしろあなたに有益な情報しか書かれていません。
だから、怖くても向き合ってください。そして絶対にテスト結果を捨てないでください。
弱点の見つけ方
弱点は、学校の定期テストや模試など基礎的な問題が多く載っているテストの結果から見つけます。まずは直近にあったテスト結果だけで結構ですので手元に準備してください。
間違えた場所の理解度は、以下の図のようになっています。これは数学の「集合」という単元で習う「ベン図」と呼ばれるもので、このような場面で説明するときに役立つので使用しています。丸の大きさは重要ではありません。間違った問題の中にはケアレスミス(理解はしていても計算間違いなど注意不足で間違った問題)が含まれること、さらに理解があやふやな問題でも選択肢問題などで偶然正解した問題があるということが重要です。間違った問題には、正解の見当もつかないような「全然分からない問題」でつまづいた場合もあれば、それほど分からないわけではないけど「理解があやふやな問題」として間違った場合があります。従って、弱点を発見するためにはテスト問題をもう一度見直すことが重要です。
まずは、黄色で示した「理解があやふやな問題」、そして赤色で示した「全然分からない問題」の抽出を行います。
理解があやふやな問題の抽出
- テストの問題を初めから解きなおしてください。
- ずばり自身をもって回答できる問題は飛ばしても構いません。
- 自信が無い回答に印をつけていきましょう。
- 印をつけた問題が「理解があやふやな問題」です。
全然分からない問題の抽出
- 抽出した「理解があやふやな問題」だけ、回答を見ながら一通り解きなおしましょう。丁寧な回答が書いている模試などのテストが最適です。学校のテストでは丁寧な解説が付いていないことがありますが、この場合は教科書や学校で配られた問題集の回答を参考にしましょう。
- 回答を見ずに、抽出した「理解があやふやな問題」を解きなおしましょう。
- また間違ったら、その問題には印をつけてください。これが「全然分からない問題」です。そしてまた回答を見ながら直しましょう。
- 「全然分からない問題」を回答なしで解けるまで繰り返し解きます。
弱点の単元の抽出
自分の弱点はどこの単元かを調べます。「理解があやふやな問題」と「全然分からない問題」の単元を調べましょう。
弱点を克服する方法
この段階ではまだ弱点は克服できていません。「理解があやふやな問題」と「全然分からない問題」には以下のような特徴があります。
- 理解があやふやな問題:ある程度の基礎はできているものの、単元の基礎が不十分な場合
- 全然分からない問題:高難度の発展問題の場合、または単元の基礎が致命的にできていない場合
特に模試では、満点を防ぐために超高難度の問題が1問程度出ることが多いです。ここに時間を割く必要はありません。しかし基礎的な問題が全く分からない場合は、致命的な弱点と言えます。
学力は固い基礎の上に応用など発展した知識を積み重ねるものです。従って、致命的な弱点から優先的に克服しましょう。
致命的な弱点の克服方法
前に習った単元に戻りましょう。抽出した致命的な弱点には基礎となる単元がいくつかあります。例えば「二次方程式」を考えた場合、以下のように「一次関数」や「多項式」、「連立方程式」のような単元が基礎となっています。二次方程式の基礎全然分からない場合、これらのさらに土台となる基礎ができていないことが考えられます。つまり、前に習った単元まで戻ることが必須です。
でも何から手を付けたらいいのか分からない
教科書を読んでみるのが効果的だぞ!その教科書も分からない場合、前の学年や、さらにもっと前の学年の教科書までさかのぼろう!
教科書には基本的なことしか書いていません。教科書に目を通して、「あまり理解できていないな」と感じるところまでさかのぼることが肝心です。そして、その単元の問題集をとにかくやりこんで下さい。使う問題集は基礎的な問題が多く載っている、学校で配られた問題集を使用しましょう。学校で配られた問題集は、教科書とリンクしていることが多いので学習を進めやすいです。
基礎が不十分な「理解があやふや」な単元の克服方法
これは「致命的な弱点の克服方法」の最後に書いた方法が最適です。
「理解があやふや」 = 「ある程度の基礎はあるが、足りていない基礎がある」
「足りていない基礎」=「基礎問題を解くことで身につく」
基礎問題は学校で配られた問題集や、市販の基礎的な問題集に多く載っています。これらを何回も解いて基礎力を身につけましょう。
基礎固めの方法まとめ
応用や発展した知識は基礎の上に積みあがります。つまり、基礎が固くないと発展した知識は絶対に身に付きません。
まずは弱点をみつけるために模試や学校の定期テストの結果を見直します。特に模試は、詳細な回答が付属すること、さらに自分の弱点をマッピングしてくれるものもあるため、積極的に受けるようにしましょう。
偶然正解した問題もあるので、テストを解き直しましょう。そして「全然分からない問題」と「理解があやふやな問題」な問題を抽出しましょう。
基礎問題が全然分からない場合は、他の単元の基礎力ができていませんので、どこでつまづいているか教科書を用いて精査します。
そして学校で配られた問題集や基礎問題集を何度も解いて、基礎力をアップさせましょう。
簡単なことに思うかもしれませんが、ここまでしっかりとテストの結果を使っている人は少ないです。テストの結果が良くても悪くても、間違った場所を見つけて克服することなしに成績を上げることは出来ません。地道ですが、テスト結果を復習して弱点を見つけて克服することが基礎を固めるための一番の近道ですので頑張って乗り越えましょう。
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