急にうちの子の成績が悪くなったんだけどなんで?これからどうすればいいの?
こんな疑問にお答えします。
この記事は以下の方にお勧めする内容です。
この記事を読んでほしい人
- 中2で成績が急降下してしまった原因を知りたい方
- ここから成績を巻き返す方法が知りたい方
この記事の結論
- 中1で習う単元の習熟度が低く、基礎力がついていないことが成績が急降下した原因。
- 中1の内容に立ち戻って学習することが最も効果的
- 何をいつまでに終わらせるか、学習計画を立案すると進捗管理がしやすい
- 学習計画の立案には保護者の協力が不可欠なので、子どもと相談しながら決めましょう。
こんな人が書いています
中2どころか中1から全ての教科の授業に着いて行けず、中3まで勉強したことが無かった人。be動詞も一次式も中3の夏ごろに初めて存在を知った、極度の勉強嫌い。
高校で心を入れ替えた結果、奇跡的に筑波大学に合格することができた。
苦手分野を克服したという自身の経験から教育に関心を持ち、大学在学中は塾講師、家庭教師を兼任して150名以上の生徒を指導した。
勉強嫌いだが特定の分野に興味を持ったことがきっかけで、今は研究者としてとある分野で活躍中。
中2で成績が急降下した理由
中2、特に2学期で成績が急降下する生徒は多いと言われています。
理由はたった一つで、勉強の内容が中2になって専門的になったからです。
中2でいきなり専門性が増すため、中1の頃は勉強していなくても成績を維持できていたという人たちの成績が急降下します。
中2では中1の単元を理解していることを前提として授業が進む
中1では、小学校の頃に身についた知識だけでも成績を維持することが可能です。
しかし中2からは中1で新たに学習した内容を全て理解しているという前提で勉強が進みますので、中1の内容の習熟度が甘ければ、中2から学校の授業に着いて行けなくなります。
授業に置いて行かれてしまうと、余計に授業を聞かなくなってしまいます。
そして余計に分からない分野が広がっていき、手が付けられない程に成績が悪化してしまうケースもあります。
本当は全教科について比較していきたいところですが、長々語っていても仕方ありませんので特に積み重ねが重要と言われている数学と英語を例に、中1と中2の習う単元の関係性を具体的に紐解いてみましょう。
数学の例
参考までに教科書メーカーの大日本図書が公開している数学の単元マップを紹介します。
中2で習得する全ての単元が中1の単元を基礎としていることが分かりますね。
単元ごとに習得する内容を中1と中2で比較しましょう。
数と式
中1
小学校で習う四則演算を十分理解していれば授業には着いて行ける程度です。演算で目新しいことといえば「-1」などの負の数が登場することくらいですが、ここで一次式の基本的な扱い方を習得します。
苦手な人が多い文章問題でも小学校の内容に毛が生えた程度です。
中2
単元が発展し、連立方程式として登場します。二つ以上の一次式を組み合わせて値を導く方法です。中1で習う一次式の扱い方を習熟していなければ、当然授業にはついて行けなくなります。
特に文章問題では中1以上に複雑化し、解き方を知らなければ解けなくなってしまいます。
図形
中1
平面図形や立体図形など、小学校の図形の算出方法を知っていればついて行ける程度ですが、各図形の基本的な特徴や性質を習得します。
中2
補助線を用いて図形を平行移動させるなど、高校受験でも出題される人気分野です。解き方を理解していなければ解けない問題が多く、ただでさえ苦手な生徒も多い分野です。
解き方を解説されても、中1で習う図形の性質を習熟していなければ解説自体を理解することさえできません。
関数
中1
主に比例と反比例について学びます。小学校の四則演算ができていれば授業自体にはついていけますが、分母が変数の場合の数の変化、分子が変数の場合の数の変化など、比例と反比例の基本的な性質と使い方を習得します。
中2
中1で習熟した比例と反比例について、方程式を書いたり、一次関数をグラフ化することが求められます。そもそも比例と反比例が理解できていなければ、当然授業にはついて行けません。
英語の例
2020年から小学校3年生で英語の授業が始まるようになりました。中1の初めで4年の学習経験がある状態です。
中1、中2の習得する内容について紹介しましょう。
英語
中1
is, am, areなどのbe動詞、過去形、進行形、基本文型、疑問詞の5W1Hを習得します。小学校の知識を動員すれば授業には着いて行けますが、ここで重要な英語の文法、文型というものを習得します。英語の基本の「き」です。
中1で習得する内容を全て理解していなければ、今後英語の成績が伸びることは絶対にありえません。
中2
助動詞、接続詞、不定詞、動名詞など習得する品詞の種類が多くなる他、受け身や比較などの表現を学びます。当然、全て中1の内容を理解している前提なので、中1の内容を理解していないとついて行けません。
日ごろの学習習慣が乏しい原因と、保護者ができること
- 最低でも1日1時間以上、勉強する習慣をつけさせましょう。
- このままだとどうなるか、今後の将来設計について何度も家族で話し合いましょう。
- 部活動が忙しい場合は、両立できる方法について親子で一緒に相談して答えを見つけましょう。
中1まではあまり勉強せずに成績をキープできていたとしても、上で紹介した通り中2からは求められる知識量が中1よりも格段に増えます。
従って成績が下がった人は、中一の内容を習熟していないため確実に勉強習慣が乏しいと言えます。
日ごろの学習習慣を見直し、最低でも1日1時間以上の勉強時間を確保しなければ学校の授業についていくことはままなりません。
しかし、中2の時期は勉強が疎かになりがちな時期でもあるのです。
どういった原因があるのでしょうか。ちょっと中2の学校事情を覗いてみましょう。
中2は中学生活に慣れてきて、中学で一番楽しい時期でもある
中2は中学校に入学して1年が過ぎ、友達付き合いも増えて満喫している時期です。
高校受験が控えていることは頭では理解しているものの、まだ1年以上先の話なので時間的余裕もあります。特に中学入試を経験していない子は、入試がどのようなものか体験したことがありません。なので受験勉強の大変さをあまり理解していない子も多いでしょう。
漠然とした不安は心のどこかで感じているでしょうが、実は既にお尻に火が付いていることには気づきません。だから今をめいいっぱい楽しんでいます。
保護者ができること
- 今の状態がヤバいということを子どもに認識してもらうこと
このまま放っておくとどうなるか、将来設計をどうするか何度も家族で話し合うことが大切です。放置していた場合、どのような状況になるかは後ほど詳述しますのでこのまま読み進めて下さい。
部活が楽しくて仕方ない時期でもある
部活では後輩もできて、部活自体にも楽しむ余裕が出てきたり、後輩指導にも精が出てくる頃合いです。
中1以上に部活に精を出すようになり、例えば大会のレギュラーメンバーに抜擢されるべく頑張る生徒も居ることでしょう。
部活動は良い人生経験になるものですから、なるべく続けさせたいですよね。
保護者ができること
- 部活動と勉強を両立させる方法を考えること
例えば帰宅後は疲れていて勉強に手が付けられない状態であれば、早起きして勉強する習慣をつけさせることが挙げられます。
朝練も忙しいのであれば、夜はなるべく早く寝かせて、朝練より十分前に早起きして勉強をする習慣を身に付けさせましょう。
家で勉強に集中することが難しいのであれば、集中できない理由を子どもと一緒に考えましょう。
頭ごなしに言っても効果は薄いので、一緒に考える姿勢が大切です。
中2の成績は高校受験に影響する?このままだとどうなるの?
高校受験には内申点と、高校入学試験の点数の双方が加味されます。
内申点への影響は都道府県、公立または私立によって異なる
中2の成績が内申点に影響するかどうかは都道府県によって異なります。
例えば公立高校に限定するのであれば、東京都では中学3年の2学期のみの成績が反映されます。一方で、例えば茨城県の場合は中1から中3までのすべての成績が反映されます。まずは中学校の先生に確認しましょう。
公立と私立でも評価対象の学年は異なるので、公立高校であれば教育委員会、私立高校であれば私学協会や志望校のホームページを確認しましょう。
東京都の様に、内申点に中2の成績が影響しないからといって油断してはいけません。中3の成績は全ての都道府県で内申点に影響しますので、今のうちから成績を上げる準備をはじめなければいけません。
内申点に関する詳細は以下の記事でまとめていますので、是非参考にしてください。
現状をほったらかしにするとどうなる?
間違いなく言えることは、放っていても状況が好転することはありません。成績は落ちていく一方です。
たとえ高校入試本番で高い点数を取れたとしても、内申点で落とされるケースは珍しくありません。内申点にも合格最低点があることを忘れないでください。
内申点の低下は即ち、行ける高校の数が減少することに他なりません。
現状の放置は、家の近くの高校に行けたり、より高いレベルの高校に進学できるチャンスを潰すことになります。そうならないためにも、少しでも早く成績を上げることを考えましょう。
成績を上げるには、中1の内容まで立ち戻って基礎を固めていくことが求められます。
現状を放置する時間が長くなればなるほど学校の授業は進み、理解しなければならない範囲が広がります。習熟しなければならない基礎の範囲も、より広くなります。
取返しがつかなくなる前に、一刻も早く対策を講じましょう。
中2で急降下した成績を再び上げる方法と、保護者ができること
中1の内容に立ち戻って基礎を勉強する
中2で成績が急降下した原因は中1の内容が理解できていないことですから、中1のレベルに立ち戻って勉強しなおすことが最も効率的に成績を上げる方法です。
一見遠回りしているように思えますが、基礎が崩壊したまま学習しても理解することができないので、成績向上にはつながらないのです。
例えば、英語のbe動詞が分からないのに「受け身」をいくら頑張って勉強しても身につくはずがありません。
数学の一次式が分からないのに「連立方程式」を解くことはできません。
一字一句教科書通りの問題が出題されたら答えられるかもしれませんが、少し形を変えられると途端に対応できなくなるのです。
中1の基礎問題を繰り返し解くことが勉強のコツ
中1の頃に使っていたワークを準備してください。もし捨ててしまっていたり、紛失している場合は本屋さんで手ごろな基礎問題集を購入しましょう。問題集に掲載されている問題数が少ない方が良いです。
間違っても発展問題集には手を出さないでください。基礎ができていないのに発展問題に手を出すと、余計に基礎力をつけるためにかかる時間が長くなります。
そして今現在学校の授業で取り扱っている単元の基礎となる単元を繰り返しといてください。
例えば数学の「平行と合同」の単元を習っていれば、中1の「平面の図形」の単元の問題を解きます。
英語など具体的に基礎となる単元が分からない場合は、中1のワークや問題集の最初から最後まで一通り繰り返し解きます。
注意点として、人間は忘れる生き物ですから1度解いて満足しないことです。最低でも5回は繰り返し解くことで記憶に定着するので、基礎力は驚くほど上がります。
中1の基礎ができてから中2の問題に手を出す
中1の基礎がついてから中2の基礎問題を解きます。
きっと今まで理解できなかったのが嘘の様に、すんなり理解できるはずです。
中2の基礎問題も、繰り返し解いて解き方や理論を記憶に定着させましょう。
保護者は子どもと学習計画を立てて、計画を進める手助けをしよう
いつまでに何を終わらせるか、期限を決めて一日何時間どの教科を勉強するか具体的な学習計画を立てましょう。
子どもだけでは計画を立てることが難しいため、保護者の協力が不可欠です。
もし学習計画の立案が難しいと感じたら、個別指導塾に頼るのも手です。個別指導塾では生徒一人ひとりの学習状況に合わせて学習計画をオーダーメイドしてくれますから、計画の立案から進行まで全て一任することができます。
また、学習計画を進めるためには勉強する場所と時間を固定した方が良いです。なぜなら毎日決まった時間、決まった場所で勉強すると習慣化しやすいからです。
子ども部屋が勉強場所として最適であれば良いのですが、中にはテレビやゲーム、ベッドなど誘惑が多いので子ども部屋では勉強に集中できないという子もいます。
誘惑が多い子ども部屋を避けてリビングで勉強すると集中しやすいので、リビングを整頓して勉強時間はテレビを点けないなどの環境整備を行いましょう。
もしリビングでも難しい場合は学校、図書館など自宅外でも勉強できる場所は多いので、子どもに合った勉強場所を見つけましょう。
自宅外の勉強場所について、筆者がおすすめする場所を以下の記事でまとめていますので、是非参考にしてください。
中2の成績が急降下したときの理由と対策まとめ
中1ではあまり勉強せずとも成績を保っていたものの、中2では勉強の専門性が増したため、授業について行けなくなってしまったことが中2になって成績が急降下した主な理由です。
原因は、中1で習得する単元の基礎学力が身についていないからです。
従って、まずは中1の内容に立ち戻って基礎力を強化しましょう。
そのためには、保護者と子どもが協力して学習計画を立てなければなりません。
計画では、一日あたりの勉強量、勉強場所、勉強する教科、何の問題集をいつまでに終わらせるか具体的に決めなければなりません。
もし保護者と子どもだけでは具体的な計画を立てることが困難だと感じたら、個別指導塾を頼ることも有効です。
生徒個人に合った具体的な学習計画を立ててくれますので、計画の立案から進捗管理まで一任することができます。
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