【学習計画】目的と目標の立て方

自主学習

学習計画の目的は、普段の勉強方法の間違っている箇所を修正し、最適化することです。月に一度など定期的に学習計画を見直すことは、効率の良い学習に必須です。

例えば、山には登山道がいくつかありますが、自分にとって最適な上り方というものが有る筈です。初心者が上級者コースを無理に登ると怪我や遭難などの危険があります。今の自分にとって無理のないコースなのか、進捗度合い的に期限内に登頂が可能な速度なのかは常に把握していないといけません。

つまり学習計画の立て方が分からなければ、効率的に学習の進捗を図ることができません。

学習計画とは、例えば「志望校に合格する」という目的に対して適切な目標を設定し、アプローチの仕方を考えるというものです。

もっと具体的に言えば、勉強する教科、範囲についてスケジュールを立てることです。

ノートを新しく一冊学習計画用に用意して、以下の内容を定期的に見直しましょう。

この記事の要点

  • 学習計画の目的は、今の勉強方法の間違いや弱点を探すことにある。
  • 目的までに複数の目標を立てて全体のスケジュールを確認する。
  • 数ヶ月後の目標を達成短期目標自身の現状を見つめなおし、改善点を見出す。
  • 見出した改善点をどのように達成するか考え、直近1週間スケジュールを立てる。

学習計画の目的と目標の違い

まず、「目的」は最終的に達成したい事柄です。そして「目標」はそれに到達するための道しるべです。

例えば、富士山山頂に到着することを「目的」としましょう。富士山山頂までには、富士宮ルートや吉田ルート、御殿場ルートなど複数のルートがあります。つまり、目的に到達するための道は一つではありません。また、五合目、六合目、七合目など様々な場所で山荘があります。これら道中にある分かりやすい指標を「目標」と呼びます。

目的は漠然としたもので結構ですが、目標は「期限」「達成基準」を具体的に設定しましょう。達成基準とは「何」が「どのように」なれば目標達成とするかです。例えば「1カ月後までに英単語を100個覚える」などです。

  • 目的は1つ、目標は複数
  • 目的は変わらない。目標は変えることが出来る。
  • 目的は抽象的、目標は具体的

【学習計画の目的と目標の定め方】全体スケジュールの計画

学習計画の全体スケジュールを見据えることで、これから歩む道を想像します。

自身の現状から、設定した目的到達までの全体スケジュールを把握するために目的、そしていくつかの目標を設定します。

まずは目的を定めましょう。

目的は数年先に成りたい自分の姿です。「志望校に合格する」などが一例です。もちろん、もっと先の自分の夢を目的にすることも良いでしょう。

目標は長期目標、中期目標、短期目標を設定します。

  • 長期目標:数年後に達成したい目標
  • 中期目標:数か月から1年以内に達成したい目標
  • 短期目標:数か月以内に達成したい目標

目的から逆算して、道標を決める気もちで目標を設定すると分かりやすいです。

中学1年から2年生ごろに立てるであろう全体スケジュールの例

【学習計画の目的と目標の定め方】直近スケジュールの計画

現状を確認して改善策の見つけ出す

ここまでできたら、短期目標へのアプローチ方法を考えます。この工程で、今の自分が行わなければならない事を明らかにします

まずは現状を確認し、短期目標に到達するための改善策を見つけましょう。異なる具体例を2つ挙げますので、自分のケースに当てはめて項目を埋めてください。

現状確認と短期目標までの計画設計の具体例①

ここで想定するのは、勉強習慣もおぼつかなくて成績もよくない中学生のケースです。

  • 学年:中2
  • 定期テストの成績:平均点を超えるものは1~2教科、超えたとしても+5点以下。
  • 学校成績:学年の中の下。
  • 模試成績:志望大学判定E
  • 勉強習慣:定期テスト前の1週間は毎日2時間程度、それ以外は1週間のうち2~3日勉強し、それぞれ1時間程度の学習習慣がある。
  • 勉強する教科:得意科目を優先的に学習する傾向がある。
  • 弱点分析:行っていない
  • 学習計画で設定した目的:地域の進学校に入学すること
  • 学習計画で設定した短期目標:次のテストで平均点超えの経験が無い教科で平均点を超えること
  • 学習計画で設定した短期目標の期限:次のテストまでは約2か月

現状を書き出したら、改善点を見つけましょう。このケースの場合は、短期目標に向かって次のようにアプローチすることが出来ます。

  • テスト直前期以外の学習習慣が乏しいため、普段から毎日勉強する習慣を身に着けること。
  • 増やした勉強時間で、成績を向上させたい苦手教科を重点的に学習すること。
  • 過去のテスト結果での弱点分析を行うこと。

また注意点として、このケースの場合は得意科目といっても平均点ギリギリなので、余裕があれば得意科目の勉強時間を増やし、平均点+10点以上を狙うようにしましょう。

現状確認と短期目標までの計画設計の具体例②

一方で、勉強していてもなかなか思うように成績が上がらないケースも紹介します。進学校ではない高校に通っていて、かなり高い難易度の大学を志望する生徒に多く見られる傾向です。

  • 学年:高校2年
  • 定期テストの成績:全教科平均点+20点以上。
  • 学内成績順位:学年の上位層に属する。
  • 模試成績順位:志望大学判定D~Cを行ったり来たり
  • 勉強習慣:定期テストに関わらず、1日6時間以上の勉強習慣がある。
  • 勉強する教科:全教科満遍なく
  • 弱点の分析:精力的には取り組んでいない。
  • 学習計画で設定した目的:志望大学に入学すること
  • 学習計画で設定した短期目標:次の模試で志望大学判定Aを目指す
  • 学習計画で設定した短期目標の期限:次の模試まで約3か月

普段の改善点としては特に見当たらないように思いますが、これだけ勉強していて志望大学判定が低いのには理由があるはずです。以下の改善策を考えましょう。また、勉強効率が悪いかもしれないという視点をもって、普段の学習方法を見直すのも良いかもしれません。

  • 弱点を分析し、基礎力を底上げする。

直近1ヵ月のスケジュールの計画

現状を分析し、改善案を見出したら、短期目標の期限までに改善策を実行する計画を立てましょう。直近1カ月中に達成したい「1ヵ月後目標」を立てます。

例えば前述の具体例①の場合、以下のようなステップを踏んで短期目標を達成することを考えます。

  • Step1:一日の勉強時間を増やし、習慣化する。その期間で前回のテストを復習して全体的な基礎力を上げる。
  • Step2:得意科目の勉強はそのまま続けて、苦手科目の復習を重点的に行う。
  • Step3:テスト直前期の勉強時間を増やして、伸ばしたい苦手科目を重点的に鍛える。

このStep1を「1ヵ月後目標」とします。

1ヵ月後目標の例

  • 一ヶ月後までに一日1時間の勉強習慣を身に着ける。
  • 前回のテストで間違った部分を全部復習する。

では、1ヵ月後目標を達成するために直近一週間のスケジュールを立てましょう。この場合、毎日1時間勉強し、曜日ごとに勉強する教科を満遍なく変えるなど、月曜日から日曜日までの勉強計画をノートに書き込んでください。

学習計画の目的と目標の定め方まとめ

ここまでで学習計画の立て方を紹介しました。学習計画は定期的に確認するものです。目標が達成されているか、達成されていないのであれば失敗原因は何か確認する必要があります。

学習計画は目的を立て、目的から現状までを逆算して目標を立てます。数ヶ月後に達成する短期目標まで定めたら、そこまでのアプローチ方法を定めて1カ月後目標を決めます。その目標に進むために、どのようにアプローチするか1週間のスケジュールに落とし込みます。

初めて学習計画を立てた場合、進めていくうちに想定外の要因で計画が破綻してしまったり、立ち行かなくなることがよくあります。その場合は再び現状を確認し、改善点を洗い出して、計画を練るという一連の作業を行います。見つけた改善策を考慮して短期目標までのアプローチ方法を調整しましょう。

まずは立てた計画を進めてください。

では、ご健闘を祈ります。

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