子どもの勉強にどう向き合ってあげればいいの?
勉強が習慣化していない子には、保護者が子どもの勉強を正しくサポートすることが大切です。
とはいえ、過干渉も良くないと言われたり、家庭でのサポートが重要と言われたり皆が別々の事を言うものですから何をやればいいのかわからないのではないでしょうか。
ここでは難しいことは伝えません。絶対にやらなきゃいけない事と、絶対にやっちゃだめな事のみ紹介します。
保護者の方々は、日ごろから自分が正しいと思うことを出来る限りやっていることと思います。ここで紹介するやらなきゃいけない事、やっちゃだめな事を今一度確認してください。
保護者が子どもの勉強に向き合うときに最低限やらなければいけない2つの事
保護者が最低限やらないといけないことは、環境づくりと学習計画の設計です。この二つは勉強になくてはならないことで、保護者の協力が必要なものなので最低限これだけは確認してください。
勉強する環境づくり
勉強する環境は、家や家以外の塾など様々な場所があります。まずは子どもが勉強しやすい場所に気になるところはありませんか?まずはチェックしましょう。
子どもが好む環境の把握
一日の中で一番長くいるのは、お家です。家庭で学習しやすい環境を作ることは、積極的に行う必要があります。しかし注意しなければならないのが、子どもによっては音や室温、匂いなど五感を刺激する要素に対して好みが分かれます。まずは好みを確認して勉強しやすい環境をお家の中に作りましょう。
音の環境
子どもによっては多少の環境音があった方が集中しやすい場合、または静かな環境の方が集中しやすい子もいます。前者の場合、環境音や「ホワイトノイズ」と呼ばれる砂嵐のような音を勉強中に敢えて流す子もいます。このような場合、静寂な環境はむしろ落ち着かずに集中できません。僕の様な後者の場合でも、多少の環境音なら気にならないことがほとんどです。
ただ、どちらの場合にせよ人が話す声は脳が無意識に会話を聞き取ろうとするのでNGです。言葉だと分からないほど小さかったり、くぐもっているなどすれば環境音と変わりないので大丈夫です。つまり家族の団らんの最中に勉強している場合は、リビングで勉強することはお勧めしません。
温度の環境
部屋が暑すぎたり寒すぎたりしませんか?子どもによっては多少冷えている方が頭が冴えて集中しやすかったり、暖かめの方が良かったりするので注意です。冷え性がある子の場合は部屋の設定温度を暖かめにした方が良いでしょう。
匂いの環境
リビングで勉強している子に多いですが、料理中の匂いが気になって集中が途絶えたりする場合があります。食事前などお腹がすいている時間帯はリビングでの勉強を避けるようにしてください。
その他の環境に関する注意点は以下の記事にまとめていますので、お時間があればご確認ください。
塾、家庭教師の選択
塾や家庭教師を利用しているご家庭は多いです。塾にも学校のような集団授業型、生徒一人ひとりの学習スタイルに合わせて指導する個別指導型があります。それぞれメリット、デメリットを以下の記事にまとめていますので、検討中という方もぜひご確認ください。
学習計画の設計
環境が整っていれば、あとは学習計画の設計に不備が無いか確認しましょう。ただ、もしお子さんが自分なりに計画を立てて実行している場合は基本的に干渉してはダメですので注意してください。
少し遠い目標の設定
まずは少し遠い目標を設定しましょう。「遠い」とは時間的に遠いということで、期限が数か月以内であるものです。設定する目標は次の項目を満たしていることを確認してください。
- 達成期限が明確であること。「数か月以内」などの抽象的表現ではなくて、たとえば「次のテストのとき」など具体化しましょう。次の定期テストが1か月以内など直近の場合は「次の次のテストのとき」などが望ましいです。
- 合格基準が明確であること。「毎日1時間勉強することを習慣化する」や、「苦手科目で平均点以上を取る」など、「なに」を「どう」すればいいか具体化しましょう。
- 目標の難度が高すぎないこと。または低すぎないこと。高すぎたり低すぎる目標はやる気を削ぎます。
スケジュールを立てる
これは先ほど立てた目標と今現時点の間に複数の目標を立てることでもあります。1週間ごとなど定期的に達成すべき短期目標を設定しましょう。保護者が干渉していいのはここまでです。短期目標を達成したかどうかは確認しないようにしてください。あとは子どもに任せましょう。口述しますが、確認して良いのは定期テストの結果だけです。だから少し遠い目標の設定では定期テストに絡めて「次のテストのとき」を推奨しました。短期目標を確認するのは過干渉です。
お子さんが既に目標とスケジュールを立てているとき
干渉は基本的にNGですが、確認したほうが良いでしょう。お子さんが嫌がったら、ひとまず信じて様子を見て、次のテスト結果を確認してうまくいっていない様だったら確認するようにしましょう。
ただ、確認しても内容に口出しすることは基本的にNGです。ただ、例えば3回定期テストがあっても改善していないなど、あまりにも長い期間うまくいっていない様子であればサポートしてあげてください。
さらに具体的な学習計画の立て方は次の記事を参照してください。
保護者が子どもの勉強に向き合うときに、やってはいけない4つの事
頻繁な進捗確認
前述しましたが、短期目標の確認は過干渉です。定期テストの結果を確認するのみにとどめてください。サポートするべき時は以下の状況だけです。
- 学習計画をたてていない場合
- 学習計画はたてていても、定期テストが3回あるなど長い期間を経ても状況が改善しそうにない場合
悪い結果に対して怒ること
定期テストで悪い点数であっても、決して怒らないでください。
怒りたい気持ちは分かります。毎回塾までの送り迎えが大変な保護者もいらっしゃいます。塾や家庭教師代の捻出が毎月大変で赤字家計だと不安にもなるし怒りたくもなりますよね。それに毎日ご飯をつくったり部屋を片付けてあげていても生意気に文句ばかり言うお子さんに困っている保護者も多いと思います。でも、それでも失敗を咎めないでください。失敗すること自体は悪い事ではありませんから。
なぜなら、失敗を恐れるようになります。失敗を恐れると、挑戦しなくなります。受験など人生の壁に直面したときに壁が越えられなくなります。
それに失敗は悪いことではありません。失敗は原因を分析して次の機会に活かすことができます。これは人生の壁でこけてしまった時でも、挫折したときでも失敗から立ち直ることができます。
子どもの趣味を全面禁止すること
スマホでYouTubeを見たり、知らない人とオンラインゲームを楽しんだりする子どもは多いと思います。じゃぁもう金輪際ゲームは禁止だ!と怒りたくなる気持ちはよくわかります。でも絶対それはやっちゃいけないことです。
なぜなら、欲望は禁止することでは止めさせることができないからです。そして隠れて欲望を満たすようになるからです。誤解を恐れずに言うと、あらゆる依存症が存在するのはそういう背景があるからです。
僕は、昔からゲームが大好きでした。でも家ではゲームを禁止されていました。小5のときにお小遣いを貯めて、友達と遊ぶために携帯型のゲーム機をこっそり買って隠れてやってました。中学に上がると学校近くのゲームセンターに入り浸るようになりました。何度か先生に見つかって怒られましたが、ゲームセンターの癖はなかなか抜けませんでした。
欲望を叶えようと思うといくらでも道はあります。だから、全面禁止はだめです。保護者が管理できないところで欲望を満たそうとするので、場合によってはとても危険です。
ですから、時間を決めて許可するようにしましょう。息抜きはとても大切です。
目標を達成したらご褒美を与えるシステム
これは絶対にやってはいけないというより、とてもハイリスクなのでやらない方が無難です。なぜかといえば、本来勉強する目的は、事前に設定した目標を達成するために行うものです。それがご褒美をもらうためという異なった目的とすり替わってしまうからです。
目標、目的は勉強する上で一番大事です。目的とは意義、最終目標を言います。目標は目的に近づくための道しるべを言います。目的が変わったら、向かうべきゴールが変わります。ゴールが変わったらどうなりますか?富士山の山頂を目指していたのに、気づいたら沖縄に来ていました。みたいなことになりかねません。これは非常に危険です。
ただ、利点があることは確かです。自分にとって有益になるため、勉強する意欲が増すことが期待できます。ただ、本来の目的がすり替わる危険性が大いにあるので、もしもハイリスクでもご褒美システムを設ける場合は、与えるご褒美の内容は十分検討したほうが良いでしょう。例えばゲーム機などではなく、なるべく勉強関連のものにしましょう。
オススメは旅行です。美味しい特産品を食べることは、地域の文化や特産物に詳しくなれます。この知識は地理や歴史と関わることも多いです。博物館や歴史的建造物なんかも良いでしょう。また、高くなりますが海外旅行も英語の勉強や、文化の違いを体験できるという意味でとても良い勉強になるでしょう。
保護者が子どもの勉強に向き合う方法まとめ
以上でやらなければいけないこと2点、やってはいけないこと4点を紹介しました。
今一度お子さんの状況を確認し、改善点が見つけてください。
特に学習計画の設計は勉強する上で一番重要な要素なのにもかかわらず、多くの家庭ではおろそかになっています。
今あなたが抱えている苦悩は、いずれお子さんも分かるようになる時が来ます。あなたが今の苦悩を乗り越える様子を、お子さんも見ています。少なくとも僕は親の背中を見ていたし、覚えています。あなたがどの様に苦難をのりこえるか、それはきっと将来あなたのお子さんのお手本になるでしょう。頑張っている人に頑張れと言うのは間違っていますが、辛さや不安に押しつぶされないでください。
それではまた
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