
同じ通信教育を使っていても、使い方次第で成績の伸びしろは変わります。
ただ配られた教材だけを消化するだけでは、成績が伸び悩んでしまうご家庭も多いです。
この記事では、これから通信教育を始めようとしているご家庭に向けて通信教育の使い方を解説します。
では詳しく見ていきましょう。
通信教育で成績が伸び悩む家庭が多い理由

通信教育では、成績が伸びる子と伸び悩む子がはっきり分かれます。
これさえやっときゃどんな子でもグングン成績が上がる、というような万能な通信教育はありません。
通信教育には得手不得手があるので、どんな部分に注意すべきか解説しましょう。
やる気の維持が難しく、続かない家庭が多い
通信教育は自分で勉強を進めることが必須です。
やる気の維持が難しく、途中で離脱してしまうご家庭はどの通信教育でも多いです。
通信教育だけではテスト範囲をカバーしにくい
通信教育だけで定期テスト対策をやろうと思うと、対策していない問題に直面することがあります。
特に教科書準拠と言われていても、実際のテスト範囲と一致しないケースには注意しましょう。
テスト範囲を100%カバーできているか、勉強する単元を確認しながら勉強すると安心です。
もし不安であれば、教科書やテスト範囲を簡単に登録できるスマイルゼミなど、テスト対策がしやすい通信教育を使いましょう。
学力が高い子は演習不足で伸び悩みがち
学力が高い利用者からは演習不足を指摘する口コミも多いです。
様々な切り口の問題を解いたり、思考力を鍛える問題を数多く演習しましょう。
特にZ会は難しい問題の演習量が多く、学力上位層に選ばれています。
通信教育だけでは勉強が偏りやすい
前もって計画を立て、足りない勉強を整理しないと通信学習だけでは偏った学習になりやすいです。
単語帳を用意したり、テスト対策と受験対策を満遍なく進めることが重要です。
例えば進研ゼミでは沢山の副教材を使うので、偏りにくい学習ができると言われています。
復習不足でも「やった気」になりやすい
本当は理解できていないのに、分かった気になってしまいやすい場合もあります。
自信がない単元、苦手な分野は常にケアする姿勢が大切です。
時間を開けて何度も周回しましょう。
成績があがらない時のチェックリスト
何かが不足しているから成績が伸び悩みます。
通信教育を進める上で、不足しがちな項目を5つピックアップしたので1つずつ確認しましょう。
計画を立てているか
通信教育では、具体的な計画を立てなくても教材は消化できます。
しかし計画をたてずに進めると、成績の上がり具合が見えづらくなってしまいます。
特に定期テスト前では、テスト範囲から逆算して計画することが重要です。
「計画➡実行➡振り返り➡計画」のループが大切なので、目標の達成を確認しながら進めましょう。
達成できなかったら原因を探し、改善できるように計画を立て直すことがコツです。
弱点を定期的に見直しているか
一度復習しきった分野でも、苦手な単元は時間を置いて確認しましょう。
こんなサインが現れたら、そろそろ見直すべきタイミングです。
特にテスト前の総復習では、苦手単元を重点的に復習してください。
演習量と難易度は適切か
理解しにくい、実際のレベルには達していないと感じたら演習量・難易度不足です。
具体的には、次の2点を感じたら別教材との併用を検討しましょう。
市販教材や学校ワークも併用し、基礎力のベースアップや実際の難易度の問題を対策しましょう。
別の切り口の問題に対応できるか
テストや実際の入試問題では、ちょっと変わった切り口から理解度を測る問題が出題されます。
実際のレベル、出題された切り口の問題が解けないと危機感を感じるでしょう。
成績を上げるためには、様々な切り口の問題に対応できるようにならないといけません。
通信教育だけでは出題のバリエーションが限られることもありますから、市販教材も使って理解度を深掘りしましょう。
教材の消化より「できるようになること」を重視しているか
今月号を終わらせたという達成感は大きいです。
しかし教材の消化よりも、優先度が高いことがあります。
場合によっては教材を消化しきらずに、過去にやった単元の復習、応用問題への着手が必要な場面もあります。
通信教育の進度を信用しすぎずに、自分に足りない部分を補う勉強を心がけましょう。
特にテスト前では、教材の消化よりも暗記のやりなおし、弱点単元の復習が効果的な場面も多いです。
通信教育の使い方|学力別の基本戦略
学力ごとに優先すべきことが異なります。
具体的な学習戦略を学力別に見ていきましょう。
偏差値40~:下位層の使い方
教材の全消化よりも、基礎問だけでもやりきることに注力しましょう。
余力があれば学校配布のワークも合わせて周回すると、さらに学力が早く上がります。
無理に難しい問題にチャレンジしても身につきづらいので、基礎の穴を埋めることに専念しましょう。
偏差値50~:平均層の使い方
この段階では、反復と類題対策に注力すると成績が伸びやすいです。
通信教材を繰り返し復習すること、そして学校ワークや市販教材を併用した類題対策が効果的です。
テストで切り口が違う問題がでてきても、対処しやすくなり点数が安定します。
余力があれば、通信教育だけでなく学校ワークの周回も目指しましょう。
偏差値60~:上位層の使い方
この層では、教材の消化や復習頻度を上げるだけでは成績は伸びづらいです。
過去問をやるときは制限時間を設けるなど、勉強の負荷を高くすることで本番の対応力に差がつきます。
間違えた場合は原因分析し、自分の弱点を探すことで「次に対策すべきこと」を見える化しましょう。
単元の理解が弱いのか、暗記ができていないのか、計算に弱いのか、弱点を詳しく知ることで効率よく勉強できます。
通信教育の使い方|定期テスト編
定期テスト対策では、普段からの準備とテスト前の計画立案が肝心です。
具体的に何をやればいいか見ていきましょう。
普段から学校ワークと通信教材を併用する
学校で配布される学校ワークはテスト対策に万能の教材です。
理想は、テストまでに通信教材を学校ワークと一緒に3周することです。
出題される難易度、あらゆる切り口を対策することができます。
テスト直前から始めても間に合わないので、普段から学校ワークと通信教材は同時進行しましょう。
2週間前にはテスト対策計画を作る
計画を立てることで勉強を継続しやすくなることが実践研究でもわかっています。
進める量を日割りで逆算し、例えば今日は通信教材の数学を3ページ進めるなどと決めます。
やることを事前に決めると必要な勉強時間の目安もわかるので、勉強時間も確保しやすいです。
最初は通信教材でテスト範囲の復習と苦手単元の確認を優先しましょう。
テストが近づくにつれて学校ワークで演習量を積む戦略が効果的です。
テスト直前は学校ワークの周回を優先する
通信教材が未消化でも、学校ワークの周回を優先することで演習量をカバーしましょう。
間違えた単元、苦手分野を重点的に復習します。
通信教育だけでは対策できる切り口の網羅性が低いので、直前期こそ学校ワークが強いです。
テスト後は間違えた原因を分析しよう
テスト後の振り返りが今後の伸びしろを決めます。
頑張ったのにできなかった理由を考えると、改善点が見えてきます。
もっと周回量を増やすことや、早期に通信教材を消化しきるなど、終わって初めて気づくことが有るはずです。
「こうすれば良かったかも」という反省を活かして、次の学習計画を立てましょう。
通信教育の使い方|受験編
スムーズに受験対策を進めるうえで大事なポイントを学年別にまとめました。
中1|毎日の学習習慣を身につけて受験対策の基礎を作る
人間関係、部活など新しい環境にも慣れる時期です。
同時に、受験に向けて準備を進めていかなきゃいけません。
教材を全部終わらせるというよりも、習慣づけ、正しい勉強法の習得が第1目標です。
通信教育はやる内容が毎月決められているので、難しい計画を立てなくても進めることができます。
進める中で、「弱点を見つけて復習する」という正しい勉強の方法を身に着けましょう。
中2|標準レベルの問題を安定して解けるようになる
通信教育だけでなく、市販の問題集にも手を出せる時期です。
教材だけでは理解力が偏ることもあるので、様々な切り口の問題に慣れていきましょう。
中2のうちに中1全範囲の復習も終わらせておくと、中3の負荷を減らすことが出来ます。
中3(春~夏)|2年間の総復習
夏休みまでに中1~2の全範囲を復習し、苦手分野を洗い出しましょう。
通信教材だけでなく、学校ワークや市販教材も用いると受験対策が進めやすいです。
難関校を目指す人は、夏休みまでに中3の全範囲を終わらせた方が良いです。
中3(秋~冬)|過去問対策
通信教材では添削問題など、応用問題を解きなおして苦手単元の発見と対策を積み重ねましょう。
志望校の過去問題集をやりこむことで、本番の時間間隔や難易度に慣れることが大切です。
年内に過去問題集10年分を1周することを目安にしてください。
通信教育の使い方まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
通信教育は、ただ配られた問題を消化しきればいいものではありません。
この記事で紹介した要点をまとめました。
弱点を把握して、網羅的に問題を対策することが成績向上には欠かせません。
そのためにはお子様の学力や学習状況にあわせて勉強を進める必要があります。
あらゆる場面で完璧な通信教育というものは無く、ご家庭にあった選択が大切です。
参考文献
この記事は、日本の教育研究の論文も参考にしながら執筆してます。
執筆にあたり参考にした論文をまとめました。
- 岡田涼(2022)「自己調整学習研究の展開と今後の課題」『教育心理学年報』第61集,151-166.
- 赤松大輔(2017)「英語学習における学習観,学習方略,学業成績の関連」『教育心理学研究』65(2),265-280.
- 橋本健一・鈴木雅之(2024)「定期テストに向けた学習における学習方略の使用とその有効性の認知」『日本教育工学会論文誌』48(1),85-96.
- 吉村・佐藤(2026)「中学生の定期テストに向けた学習計画の作成・修正を支援する実践的研究」『日本教育工学会論文誌』公開予定.
- 相良・奥村(2025)「認知診断モデルを用いた中学生の数学スキル習得の要因分析」『日本教育工学会論文誌』21(1),49-60.
- 市原・新井(2006)「数学学習場面における動機づけモデルの検討--メタ認知の調整効果」『日本教育心理学会』54(2), 199-210.
- 成長マインドセット,メタ認知的方略と学業成績との関連に関する研究(2025)『日本教育工学会論文誌』49(2),429-439.



