
理科って覚えなきゃいけないことが多いよね

計算問題も多いし、苦手やわぁ
でも点が欲しい
そんなあなたに向けた内容です。

こんな人に読んでもらいたい内容です。
- 理科が苦手
- 最近の出題傾向が知りたい
- 何を対策すれば良いか知りたい
この記事を書くにあたり、茨城県高校入試の過去7年分の問題を実際に全部解き、傾向と対策方法を分析しました。
ぼくは6年ほど塾講師として働いていましたが、その頃の経験をもとに、単純に、わかりやすく解説しますのでご覧ください。
それではいきましょう!
目次
理科の傾向
近年の得点分布

過去4年分の点数分布をまとめました。
2023年、2024年は2022年と比較して高得点者の割合が高い傾向にありますが、各年度で大きな変化はありません。
近年の平均点の変化

過去4年間は、変化の幅が5点以内で推移しており、大きな変化はありません。
2022年以降は年々僅かに易しくなっている傾向ですが、毎年ほぼ同じ難易度だと考えて良いでしょう。
試験全体の傾向
出題文が長いため、素早く必要な情報を読み取ることができるように注意しましょう。
物理、化学、生物、地学の分野から、全範囲の単元から満遍なく出題されます。
出題された単元を全て紹介しようと思いましたが、あまりにも広範囲だったため大問で取り扱う単元のみをまとめました。
下で紹介する単元は、出題年度に関わらず全て重要です。
物理分野の出題傾向
2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 | |
力 | 〇 | 〇 | |||
電気 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
音 | 〇 | 〇 | |||
光 | 〇 |
力、電気、音、光の4つの単元は頻出です。
「力」の出題では「仕事」、「電気」の単元では「磁場」や「静電気」も重ねて出題されていますから、関係する単元をよく復習しましょう。
化学分野の出題傾向
2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 | |
燃焼 | 〇 | ||||
熱分解 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
電気分解 | 〇 | 〇 | |||
中和 | 〇 | ||||
状態変化 | 〇 | 〇 |
燃焼、熱分解、中和は「化学変化」の単元ですが、毎年出題されるので細分化しています。
よくでる化学変化や、生成される気体の性質は覚えておきましょう。
生物分野の出題傾向
2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 | |
血液と循環 | 〇 | ||||
消化と呼吸 | 〇 | 〇 | |||
細胞分裂 | 〇 | ||||
植物のつくり | 〇 | ||||
食物連鎖 | 〇 | ||||
光合成 | 〇 | 〇 | |||
遺伝 | 〇 |
近年では、動物や植物の分類、体のつくりや細胞分裂から出題される傾向です。
「消化と酵素」については2年連続で出題されているため、要注意ですよ。
地学分野の出題傾向
2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 | |
地球と太陽の運動 | 〇 | ||||
月と金星の満ち欠け | 〇 | ||||
地層 | 〇 | 〇 | |||
地震 | 〇 |
地層では、岩の種類や化石などの問題が出ます。
物理分野でよく出る問題と対策6つ
物理分野では力、電気、光、音が頻出です。
まずは力から解説します。
物体にかかる力の向きが書けるようになろう
よく出てくる出題のパターンを図にしました。

「力」の要点は次の二つです。
作用と反作用は、互いに逆向きで大きさが等しい
等速運動のとき、力はつりあっている
この要点を押さえながら、実際の出題を見てみましょう。

出題では上のように計算問題が出されることがあります。
図に力の向きを書き込みましょう。
「仕事」を計算できるようになろう
「力」に関係して、「仕事」の単元もよく出題されます。
代表的な例として、実際に出題された滑車に関する問題を見てみましょう。

これと同じような問題は過去に何度も登場しています。
2020年の出題で良い図がありました。

定滑車は吊り上げる物体の重さが1本のロープにかかりますが、動滑車では2本のロープに分散されるため、動滑車は定滑車よりも軽く物体を持ち上げられるけれども移動距離が長いです。
滑車問題の注意点として、定滑車と動滑車のどちらも仕事量は同じということです。
「仕事」は「動かす力」と「動かす距離」に注意しましょう。
「仕事」=「動かす力」×「動かす距離」
オームの法則と電気の測り方を理解しよう

電気の単元で良く出てくる内容を図にまとめました。
計算問題はオームの法則を用いた電圧、抵抗、電流値の算出、そして消費電力、発熱量(ジュール熱)が出題されていますので、問題集を解いて慣れましょう。
電圧[V] = 抵抗[Ω] × 電流[A]
消費電力[W] = 電圧[V] × 電流[A]
発熱量[J] = 電力[W] × 時間[秒]
さらに、電流計と電圧計の使い方、読み方に関する出題も多いです。
以下に注意しましょう。
マイナス側で測定幅を調整する
測定値が予想できないときは、測定幅を大きくとる
また、電圧計と電流計の位置、そして電流と電子の向きも図を参考に覚えて下さい。
磁場の向きは右手で覚えよう

電流と磁場は相関性が強いため、あわせて出ることが多いです。
右手を図のように握ると、磁場の向きが分かります。
要点は2つです。
磁場の向きは右手で覚える
磁場の矢印の向きが、N極の向きになる
光の屈折を図に書けるようになろう
凸レンズと光の屈折は、よく出る問題の一つです。
像の見え方と、実像と虚像のできかたを1枚の図で紹介します。

光の経路を書くときは、次の4つのポイントに注意しましょう。
光源からレンズの中心を通る光は直進する
光源からレンズに平行に入る光は、屈折して焦点を通る
レンズと焦点の間に光源がある:虚像
焦点より遠くに光源がある:実像
音と波形の関連性を理解しよう
音の単元では、波形の問題がよく出ます。
良く出るポイントを1枚の図にまとめました。

音は空気や水、物体などの分子が振動し、密度が変化することによって伝播する縦波です。
次のポイントに注意しましょう。
音は縦波
振幅が大きくなると、音は大きくなる
周期が短くなると、音が高くなる
周期が長くなると、音は低くなる
化学分野でよく出る問題と対策4つ
化学分野では熱分解や電気分解など、様々な化学変化が出題されます。
良く出る化学変化や化学式、指示薬の色について紹介します。
まずは電気分解から解説しますよ。
電気分解の仕組みを理解しよう
電気分解は2年に1度の頻度でよく出ます。
要点を一つの図にまとめました。

陰極では電子が与えられる酸化反応が、陽極では電子が奪い取られる還元反応が起こります。
水(水素)よりイオン化しやすい物質が溶液中に含まれると、陰極で水素が発生します。
電流は電子の流れですから、イオンの移動が阻害されると電気は流れません。
よく出るポイントは次の通りです。
イオンの移動により電気が流れる。遮断されると電気は流れない。
砂糖水、アルコール(メタノール、エタノールなど)は分解されないので通電しない
食塩水、炭酸水は分解されるため通電する
水よりイオン化傾向が大きいイオンがあると、陰極で水素が発生する
よく出る化学式を覚えよう
熱分解や中和の問題は良く出てきます。
何の気体が発生するかがよく問われるので、ある程度化学式を知っておかなければなりません。
例えば、「メタンを燃焼したときに出る気体は?」などの問題ですね。
次の化学式は頻出なので、覚えておいてください。
気体の特徴と集め方を覚えよう
よく出ている気体は「酸素」、「二酸化炭素」、「水素」、「アンモニア」、「塩素」の5種類です。
気体の回収に適した置換法や特徴を答える問題がよくでますので、それぞれの特徴を掴みましょう。
試験薬の色の変化を覚えよう
酸性やアルカリ性の判別にリトマス紙やBTB液を使います。
よく出る4種類の指示薬と、その色の変化を覚えましょう。

リトマス紙は青色と赤色の2種類の紙を使います。
両方赤なら酸性、両方青ならアルカリ性、変化がないなら中性

BTB溶液はpHで色が変わる液体です。青色から黄色まで緩やかに変化します。
上の図で色の変化を覚えましょう。

塩化コバルトは水を検知する試験紙です。
もともと青色の紙が、水に濡れると薄い赤色になります。
漏水を検知する目的で使用する場合もあります。

フェノールフタレイン溶液は、アルカリ性の度合いを調べる指示薬です。
コンクリートを用いた建造物はアルカリ性になることで劣化するため、その劣化の度合いを検知する指示薬としても使われます。
生物分野でよく出る問題と対策4つ
植物のしくみを覚えよう
双子葉類と単子葉類のちがいはよく出題されるので、特徴を覚えておきましょう。

双子葉、単子葉は子葉、葉、茎、根の形状を覚える
実際に出題された例を紹介します。

このように、双子葉、単子葉の違いは度々出題されますので、特徴を覚えておきましょう。
生産者と消費者の関係性を理解しよう

生産者、消費者、分解者の数量と関係性は2~3年に一度の頻度で出題されています。
草は生産者、草食動物や肉食動物は消費者です。
互いの関係を示す上の図は頻出なので覚えておきましょう。
実際に出題された問題を紹介します。

生態系ピラミッド、そして最初に紹介した生産者、消費者、分解者の図は覚えておきましょう。
臓器の役割と消化の仕組みを覚えよう

消化器官の位置と酵素、分解する物質もよく出題されますよ!
食べ物は主にデンプン、たんぱく質、脂肪から成り、口や胃、胆のう、すい臓で分解されます。
特にすい臓は3種類全ての要素を分解する酵素をもつため、どの酵素がどの物質を分解するものか、注意して覚えましょう。
指示薬のポイントは2つです。
ヨウ素液とデンプンを混ぜると青紫色になる
ベネジクト液とブドウ糖を混ぜると赤褐色の沈殿物をつくる
それでは、実際に出題された問題を見てみましょう。

これは最初の図を覚えていれば簡単ですよね?

ヨウ素液と、ベネジクト液を使ったデンプンの分解に関する問題は、たまに出題されるので、色の変化を覚えておきましょう。
細胞分裂の特徴を覚えよう

細胞分裂の順序、そして減数分裂における染色体の数に関する問題はよく出題されます。
上の図で示したとおり、細胞分裂の順番は必ず覚えておきましょう。
植物細胞と動物細胞は細胞壁の有無が異なります。そのため、次の点に注意しましょう。
植物の細胞分裂は終期に「しきり」ができる
動物の細胞分裂は終期に「くびれ」ができる
また、減数分裂は次に注意です。
精子や卵子は染色体が1つしかない
それでは過去問を紹介し、この章を終わります。

地学分野でよく出る問題と対策3つ
化石の種類と特徴を覚えよう

地層の問題で化石の知識がよく問われます。
次の点に注意しましょう。
示準化石は決まった年代に広範囲で分布していた生物の化石
示相化石は広い年代で決まった環境に限定的に分布する生物の化石
示準化石は地層の年代を、示相化石は地層の環境を示す化石です。
図の赤字で示した生物は、よく問われるため年代や環境とともに全て覚えておきましょう。
過去問では、次のような問われ方をします。

最初の図を覚えていれば、簡単に解けますね!
地震のしくみを理解しよう

プレートの形、初期微動と主要動、そして進度とマグニチュードの違いは良く問われます。
上の図に書いていることは全て覚えておきましょう。
特に次の点に注意です。
震度は場所による地震の強さを示し、10段階で表される。
マグニチュードは地震の規模を示し、1増えると32倍になる。
では過去問を紹介します。

天体の動きと星の見え方を理解しよう

天体の動きも度々出題されています。
ポイントは次の通りです。
北極星の周囲は反時計回り。1日で1周し、1時間に15度回転する。
季節によって星座が見える時間が変わる。
さそり座は夏の方角、オリオン座は冬の方角と、星座は季節とともに覚えましょう。
例えば季節が秋ならば、ペガスス座は夜中に見え、オリオン座は朝方、さそり座は夕方に見えます。
しし座は昼間に昇るため見えません。
火星より内周側は地球型惑星、外周側は木星型惑星と呼ばれる
太陽系の惑星のうち、比較的密度が高く、地表が硬いものを地球型惑星と呼びます。
密度が低く、地表がガスでおおわれている惑星を木星型惑星と呼びます。
それでは過去問を見てみましょう。

受験にむけて、理科の傾向とよく出る問題まとめ
理科では幅広い分野から満遍なく出題されます。
各設問の難易度は決して高いとは言えません。
基礎的な知識を身につけることや、基礎的な計算問題を対策するだけで、ほぼ満点が狙えます。
基本を広範囲に学習することが重要ですから、まずは学校で配られている各学年のワークを3周することをお勧めします。
それでは健闘を祈ります(・ω・)ノシ