
高校受験を塾なしで乗り越えるために、どんなスケジュールで勉強したらいいか。
今回はそんなテーマです。
目指す高校やお子様の学習レベルにあわせてスケジュールを立てなければなりません。
スケジュールを立てる時って、優先順位やタスクが分かりづらくなっていませんか?
この記事では受験までの過ごし方について、ご家庭が感じやすい疑問や不安を網羅しました。
塾なしで高校受験に合格するためのスケジュールとは?
高校受験のスケジュールについて、まずはよくある疑問から解消します。
高校受験はいつから対策を始めれば間に合う?

じゅけラボ予備校、Benesseのデータを見比べてみましょう。
左の緑色の枠がベネッセ教育研究開発センター、右の青色の枠がじゅけラボ予備校の調査結果です。
中3の夏ごろから始めるお子様が最も多いことがわかりますね。
3人に2人が中3夏頃までに本気を出すので、遅くとも夏休みが始まる頃には受験モードに切り替えましょう。
とはいえ、人によって始めるべき適切な時期は異なります。
例えば偏差値50の子が偏差値60の高校を目指すのであれば、中3の夏ではギリギリ。
志望校の難易度が高くなるほど、できるだけ早く対策を始めた方がいいですね。
入試対策の開始時期で合格率は変わる?

| 受験結果に満足しているか | 人数割合 |
|---|---|
| とても満足している | 43.8% |
| まぁ満足している | 45.7% |
| あまり満足していない | 8.3% |
| 全く満足していない | 2.1% |
Benesseのデータでは、結果にとても満足していると回答した割合は43.8%でした。
つまり残りの56.2%の人は第一志望に進めていないことが考えられます。
じゅけラボ予備校が高校生に対して行った調査でも、中2の冬までに始めるべきとの回答が過半数を占めます。
さらにBenesseが調査した受験後の反省点では、64.5%の人が「もっと勉強しておけばよかった」と回答しています。
第一志望に合格するためには早期に受験対策を始めることが重要だということがわかりますね。
1日に何時間勉強すべき?

| 校内成績順 | 中3 9月ごろ | 高校受験直前 |
|---|---|---|
| 全体平均 | 2時間44分 | 3時間43分 |
| 学年上位 | 3時間32分 | 4時間32分 |
| 学年平均 | 2時間41分 | 3時間43分 |
| 学年下位 | 1時間51分 | 2時間38分 |
※このデータに学校・塾の授業時間は含みません
多くの受験生が本気を出している中3の9月時点では、1日当たり2時間40分前後が平均的な勉強時間です。
学年下位と上位では、勉強時間が倍ほどありますね。
つまり1日あたり3~4時間が勉強時間の目安と言えるでしょう。
スケジュール管理って必要なの?
成績を上げるには、しっかりとしたスケジュールを立てることが必要不可欠です。
YouTuberでお馴染みの葉一先生の書籍『自宅学習の強化書』では、このような事を言われています。
目標は具体的なことが大事です。
例えば「今年の夏までに学年10位以内になる」など明確な目標を立てましょう。
内申対策って大事なの?
成績アップは内申対策が出来てないと実現できません。
桂野塾長(後成塾)の書籍『高校受験は内申点アップが9割』にも内申の大切さが書かれています。
内申対策で計画性や学習習慣が身につくので、まずは内申を意識しないと成績は伸びずらいです。
塾長も言っていますが、成績を上げるコツ、正しい勉強法は全て内申対策にあります。
スケジュールを組むときは内申対策を第一に考えましょう。
検定って受けた方が良い?
英検・漢検・数検は強力な内申対策です。
3級以上を取ると内申にボーナス点が付与されます。
特に2級以上を取ると、入試の点数にも影響する学校も。
例えば茨城県の水戸葵陵高校のように、英検準2級を持っているだけで英語が満点扱いになるような私立も多いです。
大阪の公立高校では、英検2級を持っていると英語の得点が80%保証される制度があります。
かなりメリットが多いように感じますが、対策が大変ですよね。
既に内申が十分高いなら、受けるメリットは少ないので検定をスキップする選択もアリです。
どの検定をいつまでにとるか、内申対策の戦略を決めるには入試情報の分析が必須です。
まずは志望する高校の入試情報を調べて検定のメリットを確認しましょう。
検定はいつまでにとるべき?
できるだけ中2のうちに取ることをお勧めします。
中3は受験勉強が忙しくなるので、受験と検定試験の両立はかなり厳しいでしょう。
中2夏ごろから対策を初めて、中2の冬に合格を目指すスケジュールが理想的です。
| 検定 | 目標級数 | 第1回試験日程 | 第2回試験日程 | 第3回試験日程 |
|---|---|---|---|---|
| 英検 | 3級以上 | 5月、7月 | 10月、11月 | 1月、2月末~3月頭 |
| 漢検 | 3級以上 | 6月 | 10月 | 2月 |
| 数検 | 3級以上 | 年17回の試験あり |
英検はテスト会場で受ける以外にも、パソコンで受ける「S-CBT」という制度があります。
S-CBTなら毎週受けることが出来るし、1日で終わるのでおすすめですね。
実施日の詳細は公式サイトをご確認ください。
塾なしで偏差値65の高校に合格するための全体スケジュール【中学3年間】
偏差値65前後の高校を目指すときのスケジュールを紹介します。
志望校の偏差値が50~60程度であれば、ここまで過密なスケジュールにしなくてもかまいません。
あくまで一例としてご参考ください。
中学3年間の全体の流れ
それぞれ具体的に解説します。
中1:学年上位を目指す

中1では、学年上位を目指すことで基本的な勉強法を身に着けることがねらい。
時間がかかる英語と数学だけ先取り学習すると、スムーズに進めやすいです。
テストまでに、習った部分のワークを3周することを忘れないでください。
夏休みや冬休みなど、まとまった休みは総復習で基礎を固めます。
2年次に英検を受けるのであれば、長期休暇で英検の過去問に取り組みましょう。
まずは4級からスタートするのがおすすめです。
中2:検定合格

中2では学年上位を維持しつつ、検定に合格することが目標です。
2級を目指すなら、夏休み頃から検定対策を本格的に始めましょう。
いきなり2級の対策を始めるより前に、3級の感覚を掴んだ方が良いです。
3級以上は高校の単語が出てくるので、高校範囲の単語も覚えなければいけません。
2級なら単語だけでも5500語、中学で習う1800語の3倍もあります。
検定が終わったら、勉強量はそのままで今までの総復習にかかります。
中3:受験対策と総仕上げ

中3が始まったら、一気に先取りして夏までにワークを3周終わらせましょう。
検定に余力があれば、中2のうちから先取りを始めてもいいかもしれません。
夏休み前に中学の全範囲を履修しきるのが第一目標です。
夏休みが始まったら、中学全範囲の総復習を行います。
模試や実力テストで間違った単元など、苦手分野をワークや参考書で復習してください。
夏休みが明けたら、高校入試レベルの問題に慣れるために市販の問題集を周回します。
秋ごろまでに実戦レベルの問題集を3周し、年末までに過去問対策に入ることができれば理想的です。
高校受験に向けたスケジュールの作り方【6ステップ】
①スケジュール帳を準備する
まずはスケジュール帳を買いましょう。
一般的な手帳でもできますが、受験用の手帳を使った方がスケジュール管理がしやすいです。
目標、やる事の設定、1日の時間割が書き込みやすいので、家庭学習を進めるなら1冊は用意しましょう。
例えばAmazonベストセラーの手帳(フォーサイト)では、こんな風に目標、タスク、事後評価まで書き込めます。

A5サイズなので持ち歩きやすく、使いやすい設計ですね。
②目標を設定する
手帳を準備できたら目標を書き込んでいきましょう。
遠い目標から順に設定していきます。
「いつまで」に「どうなるのか」できるだけ具体的な目標をたてるのがポイントですよ。
③やることを書き込む
目標を立てたら1週間の予定を書き込みます。
中期目標から逆算して、今週やることを決めましょう。
英単語を覚えることや、定期テストまでに教科書ワークを3周回すことは必須です。
もし何も思い浮かばなければ、ひとまずワークから書きこんで下さい。
④苦手科目を1番に優先する
時間配分は、苦手教科が一番多くなるように割り振りましょう。
高校受験では難しい問題を解くよりも、基礎問を間違えないことが大切です。
なぜなら50点の理科を80点にする労力と、90点の英語を100点にする労力なら後者の方が大変だから。
得意教科よりも、苦手科目の方が伸びしろが大きく成績を上げるための労力も少ないのです。
苦手教科は毎日1時間は入れましょう。
⑤数学と英語は毎日やる
じゅけラボ予備校の調査でも、数学と英語の対策に時間がかかります。
数学は出題の切り口が多様で、深い理解力がなければ手が出せない問題が多いです。
英語は単語、文法の暗記はもちろん読解力やリスニングなど対策しなきゃいけないことも多いですよね。
どちらも対策が大変な科目なので、得意教科であっても数学と英語は毎日時間を割きましょう。
⑥先取りよりも復習を優先する
東大を主席で卒業された山口弁護士の書籍「7回読み勉強法」では、何度も目を通すことが勉強の本質だと書かれています。
なぜなら、1回で全部を覚えることは難しいから。
先取り学習も大事ですが、復習を第一にスケジュールを立てましょう。
例えばワークが1周終わっても、2周目を始めて下さい。
最低でも3周回すのが学年上位に入るためには必須です。
塾なし高校受験のスケジュール具体例
3学期制の中1の6月を想定して、モデルスケジュールを作りました。
7月上旬に期末テストがあると想定し、「学年70位以内に入る」ことを目標としています。
1ヶ月のスケジュール表を作ってみよう

テスト前にワークを1周するイメージですね。
ワーク以外では、漢字と英単語も追加で覚えていきます。
1週間のスケジュール例

英数は毎日、その他3教科は曜日で分けています。
土日は平日の2倍くらいの量をまとめて進めるイメージですね。
1日のスケジュール表の見本

月曜日のスケジュールを表にしました。
早朝に勉強する習慣をつけると夜は遊べるので、自由時間もしっかり確保できます。
テスト1カ月前とはいえ、習い事やテレビ、友達とオンラインゲームする時間も取れますね。
このように、勉強だけでなく休み時間も確保しながらスケジュールを組みましょう。
塾なしだから気を付けたいポイント
塾に通っていないからこそ大変なポイントが2つあります。
うまく進めるためのコツを説明しましょう。
月に1回はスケジュールを見直す
計画をたてても、その通り進むとは限りません。
急に友達と遊ぶ予定ができたり、ちょっとやる気が出なかったり、覚えたはずの単語が覚えられてなかったり・・・
個別指導塾に行っていたら計画を調整してくれるので、宿題だけに集中できます。
だけど塾なしで進めるなら、月に1度くらいは計画を見直す必要があります。
Plan・・・計画を立てる
Do・・・立てた計画を実行する
Check・・・計画の進み具合を確認する
Action・・・計画を改善する
これらの頭文字をとって、PDCAサイクルなんて呼び方をします。
教育アドバイザーの塚松さんが書かれている『「塾なし」高校受験のススメ』でもPDCAサイクルは必須だと紹介されています。
計画通りに進まなかった原因を対策できるように、計画を改善することがPDCAサイクルの本質です。
例えば夜集中できないなら朝方に切り替えるだとか、覚えられるように復習頻度を高めるとか、計画の改善を積み重ねていきましょう。
効率的に進めるために入試情報を知る
塾に行っていれば受験情報は向こうからやってきますが、塾なしなら自分で調べなければなりません。
知ってたら対策できたのに・・・
とならないためにも、入試情報は早い段階で収集しましょう。
知るべきポイントは次の4つです。
特に自分の今のレベルと、志望校のレベルのギャップは知らないといけません。
入試説明会では、その年の合格点を公表する学校も多いです。
まだ入試説明会は余力がある中1や中2の時期には行った方が良いでしょう。
内申が十分高くて公立高校を目指しているなら、検定よりも受験勉強に集中したほうが良い場合もあります。
また、内申や当日点に傾斜配点を設けている学校も要注意です。
例えば英語だけ他の教科より点数が2倍になるケースですね。
配点率が高い教科をメインに対策し、配点率が低い教科は切り捨てる戦略も場合によってはアリです。
このように、志望校の入試情報を早い段階で収集して分析することで、効率的なスケジュールを組めます。
塾なしで高校受験に合格するためのスケジュールまとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
まずは具体的な目標設定から始めてください。
頑張りましょう!
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***参考文献***
この記事では、次の文献を参照しています。
- ベネッセ教育研究開発センター『高校受験調査』(2011年)
- じゅけラボ予備校『高校受験勉強の時期に関する調査』(2022年)
- 大阪府『公立高等学校入学者選抜』(2026年)
- 水戸葵陵高校『入学試験要項』(2025年)
- 葉一『塾へ行かなくても成績が超アップ! 自宅学習の強化書』フォレスト出版(2020年)
- 桂野智也『高校受験は「内申点アップ」が9割』青春出版社(2021年)
- FCE『ふりかえり力向上手帳 フォーサイト 2026 12月始まり A5』ディスカバー21(2025年)
- 山口真由『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』PHP研究所(2014年)
- 塚松美穂『「塾なし」高校受験のススメ』プレジデント社(2021年)
