塾なし

塾なしでも高校受験に失敗しないための進め方

塾なしでも高校受験に失敗しないための進め方
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塾なしで高校受験を乗り越えようと思うけど、失敗しないか不安になる。

今回はこんな悩みを抱えるご家庭に向けて、教育心理学に基づいて失敗しないための進め方を解説します

この記事で分かること

  • 成績が伸びるお子様に見られる共通の特徴
  • 塾なしで進める時に直面しやすい、よくある失敗例と対策方法
  • 塾なしでは解決が困難な課題と対策方法

筆者について

こんな人が書いてます

  • 小中高大と受験を突破してきた受験のプロ
  • 筑波大在学中に塾講師、家庭教師として勤務。
  • 現在は工学系の研究者として働く傍らブログを執筆中。
  • 最近は教育心理学の文献を読むのが趣味。

塾なしでも高校受験に合格できる?

塾なしで高校受験に挑む割合は?

塾なしで高校受験に挑む割合は?『令和5年度子供の学習費調査』(文部科学省)に於ける通塾率の推移
『令和5年度子供の学習費調査』(文部科学省)に於ける通塾率の推移

文科省が令和5年に行った調査では、中3での塾なし率は21.6%と報告されています。

中学生1~3年までの通塾率は65.9%であり、これは同省が実施した2008年の調査結果(65%)とほぼ変わりません。

つまり過去15年間で通塾率はほぼ変わっていないことが分かります。

5人に4人が通塾する環境で、塾なしを貫くことは相当な覚悟が必要です。

塾なしがハイリスクと言われる理由

塾なしってハイリスク?

  • 早くから受験対策を始められる
  • 塾なしだとスケジュール感や勉強法がわからない
  • 塾が収集している受験情報が得られる

塾なしがハイリスクと思われている理由は、主にこの3つです。

特に集団塾では志望校合格に向けたカリキュラムを組んでいるので、授業についていくだけで合格率は上がります。

やらなきゃいけないことをベストなタイミングで教えてくれるのは塾の大きな強みです。

さらに地域の大手塾なら、卒業生が入試で取った点数の蓄積数も膨大です。

高校毎に内申と当日点の目安が簡単にわかり、過去問の傾向も把握しているので対策が打ちやすい点も大きなメリットでしょう。

このように塾は強力な武器になりえますが、だからといって必須なアイテムではありません

失敗するパターンを知っていれば、塾なしでも怖くない

失敗するパターンを知っていれば、塾なしでも怖くない、ベネッセ教育研究開発センターによる調査
ベネッセ教育研究開発センターによる調査

文部科学統計要覧ベネッセの調査によれば、毎年110万人ほどが高校受験を経験し、そのうち17%前後が第一志望に落ちています

人数にすると、高校受験に失敗する人は1年で20万人ほどいる計算になりますね。

この先人たちが経験した失敗を知って、対策することができれば塾なしでも怖くありません。

失敗をよく観察して対策し、同じ轍を踏まないこと

これが失敗しないための鉄則です。

塾なしでも失敗しない家庭の特徴

塾なしでも大丈夫な家庭にはどんな特徴があるか。

近年の教育心理学研究の論文などを参照しながら、成績を伸ばしやすい人によくみられる特徴について解説します。

塾なしで合格を勝ち取るためのチェックリスト

塾なしでも成績が伸びる子の特徴

  • 毎日勉強する習慣がある
  • 今までの自分を振り返って、勉強方法を改善しつづけることができる
  • 実力テストの結果が悪くても、うまく行かなかった原因と向き合うことができる
  • 学習計画を自分で考えることができる
  • 成績が上がらない期間が長くても、自分の才能のせいにしない

これらすべてに当てはまっていれば、塾なしでも成績を伸ばせるポテンシャルを持っています。

1つでも当てはまらないものがあれば、塾無しでは苦戦を強いられるでしょう。

それぞれ大切な理由を解説します。

「振り返り」が合否を分ける

アメリカの物理学者、J. Phillipsが大学の授業で振り返りに関する実験をしました。

テスト後、生徒に「振り返り(ミス分析)」のレポートを提出してもらった結果、次の事が分かったと報告しています。

実験で分かったこと

  • ほとんどの生徒は深い振り返りをしない
  • ミスの理由を詳しく分析できる生徒ほど成績が高い
  • 振り返った結果を活かして、計画的に学習する生徒ほど伸びやすい

簡単に言えば過去を振り返って、うまく行かなかった部分を改善しようとする姿勢が成績上位者にはよく見られるということです。

メタ認知」と言えば、聞いたことがあるかもしれません。

1歩下がり、客観的な視点で今の自分を評価することがメタ認知です。

今の実力を正しく認識し、勉強方法を改善して目標に近づくことを考えましょう。

塾では経験が豊富な先生が改善案を考えて提案してくれますが、塾なしなら1人で考えなければなりません。

失敗を成長の糧にする

「振り返り」が重要な理由はミスを次に活かすためです。

例えば模試の結果が悪かったらどうしますか?

そのまま見ないふりをして忘れようとする人もいます。

伊藤(現・九州大学教授)らの原著論文によると、悪い結果から逃げるような回避行動をとるほど、成績が上がりにくいと言われています。

例えば結果だけ見て終わるような振り返り方ではなくて、「なぜ間違えたか」まで分析しましょう

自分で学習計画を立てる

Zimmermanが提唱する自律的な学習モデル
Zimmermanが提唱する自律的な学習モデル

アメリカの著名な教育心理学研究者であるZimmermanは『自律的な学習者になるために』の中で、学習に必要な3要素として次を挙げています。

自立的な学習に必須な3つの要素

  • やるべきことを分析し、計画を立てる事
  • 立てた計画を実行すること
  • 実行した結果、失敗した原因を追究して計画を改善すること

この3つの要素を順繰りに回すサイクルこそ、自律的な学習です。

学習計画を立てることは自立学習に欠かせません

どんなスケジュールで次の目標まで進めばいいか、塾なしではご家庭で考える事が必須です。

お子様だけで考えることが難しい場合は、ご家族の助けが欠かせません。

情報収集、お子様の性格に合った進め方について、ご家族一丸となって考えましょう

才能が無いからだと思わない

川原(宇都宮大准教授)らの原著論文では、「次は成功するかもしれない」と思うことが成績向上に重要と説いています。

なかなか成績が上がらないと、自分に才能が無いからだと感じませんか?

この感覚は「無能感」とも呼ばれ、一生懸命に頑張っても成果が得られないときに感じやすいです。

でも成績が伸びる人ほど「もっとできるはずだ」と考え、能力のせいにせず失敗の原因分析と勉強法の改善に力を注ぐ傾向があります。

「ぼく(わたし)には無理かも・・・」と思うのではなく、理由を考えて次の戦略を模索する粘り強い姿勢が大切だという事です。

塾なしで高校受験する家庭が失敗しやすいパターン10選

受験生なのに、なかなか勉強に集中できない

成績が高い人達は、勉強する時間と休憩する時間のめりはりをはっきりさせる傾向が強いです。

伊藤教授らの論文では、「めりはり学習」として次のような具体的特徴を示しています。

メリハリをつける人の特徴

  • 遊ぶ時は思いっきり遊ぶ
  • 勉強する時は短時間に集中して勉強する
  • 量と時間を決めて勉強する

5時間ぼやっとした意識で勉強するより、1時間でも集中して進めたほうが効率的です。

また、同論文では「めりはり学習」と「整理整頓」が強い相関性にあることを実験的に証明しています。

めりはりをつけるために、勉強机周りの整頓を徹底しましょう

入試対策に遅れてしまう

塾に行っていれば一斉に受験モードに切り替わるので、出遅れることはありません。

自習室などでは、ライバルと共に勉強するのでモチベーションも維持しやすいです。

塾なしでは学校にしかライバルがいないため、皆がどのくらい勉強しているか見えずモチベーションも下がりやすいです。

気づいたら手遅れになってしまうというケースも珍しくありません。

どんなスケジュールで入試対策をするか、中3になる前に受験情報を収集しておきましょう。

入試までのスケジュール感がわからない

塾では学習計画を考えてくれますが、塾なしなら自分で考えなければなりません。

いざスケジュールを考えようとしても、どんな計画をたてれば成功するかわからないご家庭もあるでしょう。

別記事で具体的なスケジュールの立て方や、目標の決め方を解説しています。

初めての受験が高校受験という家庭も多いので、受験の感覚が分からないなら是非参考にしてください。

無計画で勉強してしまう

計画の立て方が分からないからといって、無計画で勉強を進めると失敗します

その日の気分で勉強する内容を決めたり、場当たり的な勉強では効果は出ません。

Zimmermanが提唱する自律的な学習モデルでも、『計画』は1つの必須要素です。

教育アドバイザーの塚松さんの著書『塾なし高校受験のススメ』では、次の計画を立てることを推奨しています。

計画を立てる時のポイント

  • 入試までの全体計画表を作る
  • 説明会や模試など受験関連のイベントを計画表に入れる
  • イベントの日程にあわせて準備計画を考える
  • 週単位でタスクを決める

具体的な計画方法の他にも役立つことを書いているので、気になる方は手に取ってみて下さい。

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何から手を付けていいかわからない

塾では宿題が出るので、何を勉強すればいいか考えることはありません。

塾なしなら勉強方法もすべて自分で考える必要があります。

迷うなら、まずは今まで習った範囲の復習に注力しましょう。

塾なしで成績を上げるための勉強法について、基本的な戦略を別記事で解説しています。

何を優先すべきかわからない人は参考にしてください。

過去問対策が間に合わずに入試本番になってしまう

過去問の対策は、効率最強の勉強法といっても過言ではありません。

実際に出された問題で、レベル感や時間制限、求められるリアルな基準を全て対策することができます。

ただ、基礎力とある程度の応用力を完成させないと過去問対策は効果がありません。

基礎力の強化に時間がかかりすぎて、過去問対策に十分な時間を回せないまま入試を迎えるケースは失敗の典型例です。

こうならないために、学習計画は十分前もって組みましょう

根拠のない自信にふりまわされる

塾なしでは、比較できるライバルが乏しくなってしまいます。

特に成績が低い層に注意してほしいのが、「根拠のない自信に支配されること」。

ダニング=クルーガー効果と呼ばれ、成績が低くライバルが少ない環境では自分の実力を正しく認識しずらくなります

その結果自分の実力を過大評価したり、目標に到達するまでの難度を低く見積もってしまいます。

例えば「自分なら1年あれば余裕で東大に行ける」など、極度に楽観視してしまうケースも少なくありません。

実力を正しく認識するためにも、模試や実力テストは積極的に受けるようにしましょう。

わからない問題を残したまま進めてしまう

解き方が分からない問題には必ず出会います。

そのままにしても、弱点が消えることはありません。

基礎でつまづいているなら、『とある男が授業してみた』で有名な教育系Youtuberの葉一先生の動画が分かりやすいです。

特定の問題が分からないなら、Yahoo知恵袋が最強の解決法です。

他にも大学生や塾講師、教員などが質問に答えてくれるRakumonというアプリも有名ですが、無料質問に回数制限があったりします。

質問するなら無料で使えるYahoo知恵袋が1番で、早いケースだと投稿から5分もしないうちに答えが返ってくることもあります。

勉強方法の効率の上げ方がわからない

もっと早く成績を上げたいのに、これ以上改善する方法がわからない。

塾なしのご家庭なら必ず通る道です。

上でも解説した通り、改善を積み重ねた回数に応じて成績は伸びやすくなります。

相談する相手がいなけりゃYahoo知恵袋に聞けばいいかと言えば、答えはNOです。

なぜなら答えは1つじゃないし、人によって最適な道は違うから。

「あなた個人」を知っている学校の先生に聞くことが1番良いです。

テストの結果を振り返らない

テストの結果から逃げてしまうのは失敗の定石です。

結果と向き合って失敗した原因を探求する姿勢は欠かせません。

間違った問題や、回答に自信を持てなかった問題をピックアップして、わからなかった理由を1つずつ分析しましょう。

塾では授業でテスト結果の内容を振り返るものですが、塾なしでは自分でやります。

地道ですが、徹底的な振り返りが成績向上には不可欠です。

塾なしでは対策が難しい3つの課題

塾なしでは対策が難しい2つの課題

  • やるべきことを分析し、計画を立てること
  • 勉強方法を改善し、効率を追求すること
  • 先取り学習で、未修分野を一気に履修すること

自律的な学習モデルの必須要素2つ、「計画」と「改善」は慣れが必要です。

例えば1年生の頃から試行錯誤しながら勉強してきた人なら問題ないでしょう。

しかし、出された宿題や最低限のテスト対策しかやって来なかった人は要注意です。

いきなり自分で考ようと思っても、始めはうまくいきません。

受験はタイムリミットがあるので、もたついている間に取り返しがつかなくなるケースもよくあります。

また、中学の全範囲は遅くとも中3の夏までには履修し終えるようにしないと過去問対策に間に合いません。

短期間に一気に履修してしまうには、塾なしでは授業も受けれないので先取りは困難です。

通信教育を取り入れて失敗を防ごう

「計画」や「改善」、「先取り」に慣れていない人でも塾は必須ではありません

必要に応じて、通信教育のサポートを受けることで失敗を回避できます。

計画を立てるのが難しい難関校の対策もできる

志望校の偏差値が高いほど効率的な計画を立てることは難しいです。

なぜなら難しい問題ほど解くのに時間がかかるので、市販の問題集を1冊終わらせるのも大変だからです。

例えば難関校を目指していて、応用力が伸び悩んでいるならZ会は外せないでしょう。

少ない問題でも網羅的に理解力を鍛えることができる名問が多い点がZ会の魅力です。

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勉強方法も見てほしいし、計画も組んでほしいというならば、オンライン塾も選択肢の1つです。

通信教育より値が張りますが、対面の塾より費用を安く抑えることができます

ネット環境さえ整っていれば利用でき、通塾も必要ないので「近くに思った塾が無いから塾なしを選ぶんだ」という方は検討の余地ありですね。

始めて存在を知ったという方は別記事で詳しく紹介しているので、これを機にぜひ知ってください。

塾なしで失敗しないための進め方まとめ

塾なしでも高校受験に失敗しないためのポイント

  • 「学習計画」「計画実行」「振り返り」のサイクルを自分で回すこと
  • 「自分ならできる」と信じること
  • 勉強方法を改善し続けること
  • 「計画」と「勉強方法の改善」は慣れていなければ難しい
  • 家庭だけでは対策が難しければ、通信教育も検討する

今回は教育心理学の視点から、成績が伸びやすい子に共通する特徴、よくある失敗パターンを紹介しました。

先人たちと同じ轍を踏まないように、失敗を対策できれば塾なしでも怖くありません。

ご家庭だけで対処できる問題は限られているので、通信教育など外部のサポートを受けることで失敗を防ぐことができます。

別記事で、お子様のタイプ別に有効な通信教育を比較していますので、是非ご参考下さい。

参考文献

この記事では次の文献を参照しています。

  1. 文部科学省 (2026) 令和5年度子供の学習費調査
  2. 文部科学省 (2008). 子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告
  3. 文部科学統計要覧(令和6年版)
  4. Benesse教育研究開発センター (2011). 高校受験調査 株式会社ベネッセコーポレーション
  5. J. A. Phillips, "Student self-assessment and reflection in a learner controlled environment," arXiv:1608.00313, 2016.
  6. B. J. Zimmerman, "Becoming a Self-Regulated Learner: An Overview," Theory into practice, Vol. 41, No.2, 2002.
  7. 伊藤崇達・神藤貴昭 (2003). 中学生用自己動機づけ方略尺度の作成 心理学研究、74、 209-217.
  8. 川原誠司・鈴木美緑 (2018). 学業失敗場面での次への切り替えという精神的弾力性の検討 日心、82、pp.3EV-001.
  9. Wikipedia. ダニング=クルーガー効果
  10. Wikipedia. メタ認知
  11. 塚松美穂 (2021). 「塾なし」高校受験のススメ プレジデント社

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