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通信教育が続かない家庭の7つの共通点|いますぐできる4つの工夫

通信教育が続かない家庭の7つの共通点|いますぐできる4つの工夫

この記事では、通信教育が続かない小中学生の保護者に向けて続かない原因と解決法を解説します。

執筆にあたり、20件以上の通信教育に関する国内外の研究、調査を参考にしました。

この記事で分かる事

  • 通信教育が続かない理由
  • 続けるためのコツ
  • 保護者はどのようにサポートすればよいか
  • 通信教育を変更する時の注意点、タイミングの見極め方

筆者について

こんな人が書いてます

  • Z会の元利用者。途中離脱の経験あり。
  • 筑波大在学中に教育業界で勤務。
  • 現在は工学系の研究者。最近は教育関係の論文も読んでいる。

まずはじめに・・・

通信教育は続かない家庭の方が多い

通信教育は塾などの対面型と比べて続けにくく、途中離脱はかなり多いと思ってください。

例えば通信学習と対面型を比べた調査では、最大で20%ほど離脱率が高かったとの報告もあります。

因みに海外の例では、通信教育は40~80%程度が離脱するとの報告もありました。

さて、通信教育が続けにくい原因は何でしょうか・・・?

通信教育が続かない7つの原因

通信教育が続かない7つの原因

勉強する習慣が身についていない

通信教育では提出が遅れても注意してくれる人がいません。

つまり

お子様が自ら進んで勉強する姿勢が不可欠です。

Z会などでは「学習計画」や「進捗管理」をサポートする機能をもつ通信教育はあります。

しかし結局はお子様自身が学習を管理することが大前提だということは注意しましょう。

難しい場合は・・・

1人で進めないうちは、保護者の声掛けが欠かせません

勉強する時間が決まっていない

通信教育はスキマ時間に進めることができるなど、時間的な自由度が高いです。

時間的な自由度はメリットばかりではない

『いつでもできる』=『今やらなくてもいい』になりやすい

実際にニューヨーク市立大学の研究では、「時間の自由度」が通信教育の主な離脱理由の1つだと報告しています。

ポイント

時間の自由度が高いことと、時間をうまく管理できることは別問題

時間の自己管理ができないと通信学習の優先度が下がってしまう側面もあります。

あらかじめ勉強する時間は固定しておいた方が良いでしょう。

教材のレベルや量が合っていない

課題の難易度と量のミスマッチもよくある離脱理由です。

こんな悪循環が起きやすい

『難しすぎる』➡「どうせわからない」と感じやすくなる

『簡単すぎ / 課題の不足』➡成長を感じられず、やる意味を見出せない

『課題の過多』➡終わらずに遅れの蓄積に繋がる

慣れないうちは、全部の課題を解こうとせず進められる分だけ着手するのも有効です。

どうすればいいか

全部やろうとせず、自分でできる問題だけ部分的に進めると良い

最初につまずいてしまった

最初につまずくいて遅れが生じると、取り戻せないことでやる気が下がることも離脱に繋がります。

つまり

最初でうまく進めなければ、ギブアップしやすい

ペンシルベニア大の研究では、通信教育を開始した直後の2週間の行動だけで以後の離脱率を約90%の精度で予測できたと報告しています。

ポイント

最初のうちに学習を軌道に乗せることが大事

だから始めたてほど、お子様の様子をよく観察することが重要です。

続かなさそうなら声掛け、続かない原因を分析しましょう。

保護者のサポートが不足している

特に通信学習では自律した学習が大事ですが、いきなりお子様1人では続けることは難しいです。

実際に1人だけで勉強できる子は極めて少数

公的機関(OECD)が実施したアンケート(PISA)では、『勉強を1人で進めることができる』と回答した高校1年生は全体の35%だけです。

だから大多数のお子様はサポートが必要なわけで、保護者の役割はめちゃくちゃ重要です。

1人で勉強を進めることができる環境づくりが保護者の役目

保護者ができるサポートの具体例

  • 勉強する時間と場所を一緒に決める
  • 目標を一緒に考える
  • 「困っていること」を確認する
  • お子様の努力や進歩を具体的に褒める

勉強する意味や楽しさを感じられない

勉強する意味や楽しさを感じられないときの悪循環

『楽しくない』は悪循環を生む

楽しくないと、勉強が負担に感じて避けるようになる。

いつまで経っても出来るようにならないから、もっと楽しくなくなる。

大人でも楽しくないことを続けることは難しいですよね。

実は、自信がつくほど勉強が楽しく感じやすいということが知られています。

つまりどうすればいいか

出来るようになったことを具体的に褒めて、努力や成長を認めてあげる

ここでも保護者のサポートが効いてきます。

困ったときに、1人で抱え込まずに済む環境ではない

通信教育は相談にのってくれる先生もおらず、力強いサポートも乏しいので孤独な戦いになりがちです。

孤立感が強いと起こりがちな事

疑問や不安があっても、タイムリーに解決することが難しい

親身になってくれる身近な人の存在はかなり大きいです。

1人では解決が難しい問題は、解決方法をご家族で話し合いましょう。

例えばどうすればいいか

  • 頻繁に困ったことが無いか確認する
  • 通信教育の質問サービスを利用する

通信教育を続けるために家庭でできる4つの工夫

通信教育を続けるために家庭でできる4つの工夫

保護者の役割

子ども自身が「やってみよう」と思える環境を作ること

保護者のサポートと言っても、何でもかんでも勉強に関与すれば良いわけではありません。

だから難しいんですよね

約38万人の保護者を調査した報告書では、自律性を支えるようなかかわり方が成績向上に関連性が強いことが分かっています。

つまりどうすればいいか

勉強そのものを管理しようとせず、自分で勉強できるように支えることが重要

この章ではもっと具体的に、お子様の勉強とのかかわり方を解説します。

親子で学習の仕組みをつくる

続かない理由

「続けられない=意志が弱い」ではなく「勉強を継続する方法が分からないから続かない」

勉強が続かない子は、進め方が分かっていない場合が多いです。

まず親子で決めること

  • 目標を決める(例えば今月の教材を期日までに終わらせるなど)
  • 曜日ごとに進める教科を決める

勉強は『いつ、何を、どこまでやるのか』が分からなければ進めません。

中3生を対象とした調査でも、自分で勉強を進める子は共通して目標や計画を立てていることが知られています。

毎日の行動と勉強を結びつける

勉強が習慣化していないお子様は、普段の行動と結びつけることで習慣化しやすくなります。

どういうこと?

既に習慣になっていることと、勉強を結びつける

個人差がありますが、早ければ2週間程で新しい習慣が根付くという実験結果もあります。

具体的にどうすればいい?

  • 朝起きたら数学の勉強を1時間やる
  • 夕食後は英単語を10個覚える
  • お風呂を出たら学校のワークをやる

このように、既に習慣になっていることと、新しく習慣化することを結びつけましょう。

できるようになったことを褒める

何をどうやって褒めたらいいか分からないという保護者も多いはず。

褒め方のポイント

努力、成長を認めて「自分ならできるんだ」という自信を育てる

約8万人の学生を調査した結果、「自分はできる」という自信が自律的な学習に不可欠だったとする報告もあります。

頑張ったことを具体的に褒めてもらえると、「ちゃんと見てくれているんだ」という安心感も生まれます。

どうすればいいか

  • 先週よりも勉強時間が長くなったね
  • この前出来なかった問題、今日はできたんだね

このように、本人の努力を認めるような褒め方を心がけましょう。

困ったときに1人で悩まない環境をつくる

通信教育では不安や疑問がタイムリーに解決できるとは限りません。

だから悩みを溜め込まない仕組みが大切です。

なぜ抱え込むの?

  • 親に相談したってどうせ解決しない
  • こんなことも理解できないと思われたくない

親は常に相談してほしいと思っているものですが、こんな心境を持っているお子様もいます。

どうすればいいか

  • すぐに解決したい問題はAIに相談してみる
  • 通信教育の質問サービスを利用する
  • 保護者や学校の先生に相談する

問題の解き方ならChatGPTでも懇切丁寧に教えてくれます。

今後の進め方など、プロに確認したい相談なら通信教育のスタッフ、学校の先生が良いでしょう。

保護者は出来るだけ多くの解決手段を準備することが役割です。

気を付けたいNGな4つの言動

気を付けたいNGな4つの言動

保護者が勉強に干渉しすぎると、子どものやる気も下がってしまいます。

この章では、保護者のかかわり方のNG版を解説しましょう。

叱って勉強させる

せっかく申し込んだのに、放置されている教材を見ると腹も立ちますよね。

「勉強しなさい!」と叱りたくなるものも分かります。

叱る時に知っておきたいこと

心の余裕とやる気は直結する

叱られたり、細かくルールを決められることで、心の余裕が無くなるほどやる気が下がる傾向が知られています。

特に罪悪感や恥、不安を利用した叱り方(心理的コントロール)は避けた方が賢明です。

心理的コントロールの具体例

  • こんなに心配してるのに、どうして言う事をきかないの?
  • こんな問題もできないの?
  • もう、あなたには期待しない

約13万人を調査とした研究では、心理的コントロールが強いほど自分から勉強しなくなるという相関関係が明らかになっています。

どうすればいいか

「勉強させよう」ではなく、「どうすれば勉強を続けられそうか一緒に考える」ことを意識する

結果だけを見る

一番大事なのはテストや模試の成績が上がる事ですよね。

もちろん結果の確認は大切ですが、結果主義にこだわるのはNGです。

結果は重要だけど・・・

日々の頑張りを褒めることが不可欠

結果だけを見て責めることは避けましょう。

例えば・・・

  • 前から成績が上がってないじゃん
  • ちゃんと勉強してる?

勉強の過程を否定するような声掛けを続けると、

「自分はできないんだ・・・」➡「どうせ自分には無理」

となってしまい、勉強と向き合うことが嫌になります。

どうすればいいか

勉強の過程もしっかり見て、成長できた部分を具体的に褒める

不安だけを強く刺激する

テスト前に焦って勉強した経験がある保護者もいらっしゃるでしょう。

不安を感じると勉強に集中できるように見えるかも知れません。

不安を刺激するのがよくない理由

不安を理由に勉強しても長続きしない

今の状態と目標の差があって不安に感じることは正常です。

しかし不安だけを刺激するような声掛けは避けましょう。

具体的には・・・

  • このままだと将来まともな仕事につけないよ
  • ○○高校になんて絶対無理だから諦めな
  • そんな調子じゃ次のテストもボロボロだね

大事なのは・・・

期限と現状を正しく認識し、「どうすればいいか」対策を一緒に考えること

デキる兄弟や友達と比較して劣等感を刺激する

劣等感から競争心が芽生えてやる気が出るケースもあります。

しかし「劣等感」は「自信の喪失」と繋がります。

必要以上の劣等感を抱いたとき

「どうせ自分には無理」と感じるようになりやすい

自己否定につながった瞬間に、「もう教材を開きたくない」という気持ちが芽生えます。

通信教育が続きにくいご家庭では、むしろ「自分はできるんだ」という気持ちを刺激しましょう。

「もっと頑張ろう」というモチベーションを作ることが大切です。

比較するなら過去の自分と比較しよう

出来るようになったことを具体的に褒めると、自信に繋がる

「合わなければ変えればいい」は危険

通信教育を安易に変更すると、同じ轍を踏むことにも繋がります。

変えること自体は悪い事ではありません。

合わないものを続けていても効果が低いですし、変えた方が良い時もあります。

危険な考え方

続かなかった原因や理由を深く考えずに変えてしまう事

なんとなくうちの子には無理っぽいから、もっと合いそうなものがあるかも。

など、あいまいな原因分析に留まると次も失敗する可能性が高いです。

原因チェックリスト

  • 教材の難易度や課題量はどう?
  • 学習の進め方は分かっている?
  • スケジュールや勉強時間は決まっている?
  • 質問体制はとれてる?
  • 学校や習い事が忙しい?
  • 一定期間試しても改善しない?

原因をリストアップして、どうしても通信教育を変えなければ解決できないか確認しましょう。

ここで、原因をできるだけ詳しく分析しないと、次の方針が立ちません

例えば・・・

質問体制が悪く、質問してから返答までに時間がかかりがち。

スタッフに何度伝えても改善しなかった。

質問はすぐに解決できないと勉強に集中できないタイプだから、通信教育を変えたいなど。

このように明確化できれば、次は質問をリアルタイムで解決しやすいサービスを探すという指針が立ちます。

変え先を検討するためにも、徹底的に原因を分析しましょう

変えることを検討すべき家庭の特徴3つ

通信教育を変えるべき家庭の特徴3つ

合う合わないを見極めて、方針を変える決断も必要です。

ではどういった家庭が、変える事を検討すべきでしょうか。

1人で学習を進めることができない

通信教育はサポートが重要という話をしましたが、四六時中つきっきりのサポートはできません。

通信教育は1人で進めることが前提

ただ、1人で進めるには大きなハードルが2つあります。

大きなハードル

  • 目標やスケジュールを自分で決める
  • 分からない所は自分なりに解決する

1人で進められない子は、意志が弱いのではなく進めるための要領が分かっていません

向き不向きチェックリスト

  • 保護者が横についていないと進まない
  • 何をやれば良いのか自分で判断できない
  • 分からなくなると先に進めない

もしこんな状態なら、塾などサポートが強いサービスに変えるべきです。

1人で疑問を解決できない

1人で進めるには、分からない壁にぶつかったときに解決するスキルが必要です。

実はメールでの質問やAIなど、1人で疑問を解決できる方法はたくさんあります。

解決できる仕組みがあるのに、それを利用できない

このような状況ならば、分からない部分を拾ってもらえるような対面学習の方が良いでしょう。

タブレットコースを利用しているけど、タブレットが合わない

タブレットの方が機能を追加しやすいというメリットもあり、タブレットだけの通信教育も多いです。

タブレット学習の難点

  • 紙テキストと使い勝手が違う
  • Youtubeやゲームができてしまう
  • 専用タブレットでもSNSやショート動画が見れるものもある

紙テキストなら集中できるのに、タブレットだとどうしても違うことがしたくなる

そういうときは紙テキストが利用できる通信教育に切り替えた方が良いでしょう。

まとめ:続かない理由は『仕組み』が整っていないから

続かない理由を一言でまとめると『仕組み』が整備できていないからです。

ポイント

自分で勉強を進める仕組みを整えてあげると通信教育は続きやすい

今回の記事をまとめると、続けるために必要なポイントは次の4つです。

続けるためのコツ

  • いつ、何を、どこまでやるか、勉強の進め方を整理する
  • 教材のレベルや量は、自分で適切に調整する
  • 「できるようになった」自信を身につける
  • 分からないときに解決する手段を整える

通信学習の利用者の多くは、継続性に悩んで脱落してしまいます。

いきなり1人に任せるのではなく、今回紹介したポイントを踏まえてサポートしてあげましょう。

参考文献

この記事で参考にした文献を紹介します。

通信教育・オンライン学習の継続と離脱に関する調査・研究

  1. 伊藤・神藤(2004)
  2. Hachey, Wladis & Conway (2023)
  3. de la Varre et al. (2014)
  4. Bağrıacık Yılmaz & Karataş (2022)
  5. Rahmani, Groot & Rahmani (2024)

自律学習・学習習慣に関する調査・研究

  1. 吉村・佐藤(2025)
  2. Edisherashvili et al. (2022)
  3. Clark et al. (2021)
  4. Elliott et al. (2024)

保護者の関り、自信に関する調査・研究

  1. 西村・櫻井(2013)
  2. 青島・鈴木(2022)
  3. 鹿嶋・田中(2013)
  4. Bureau et al. (2022)
  5. Bradshaw et al. (2025)
  6. Ryan & Connell (1989)

教材のレベルや負荷と学習継続性の関係

  1. de la Varre et al. (2014)

学習の習慣化に関する調査

  1. 中井(2018)『学校心理学研究』18(1), 29-41
  2. 中井(2018)『教育心理学研究』66(4), 263-275
  3. 福谷・皆川(2022)
  4. Aarts & Dijksterhuis (2000)
  5. Schaaf et al. (2025)

方針変更のタイミング、効果に関する研究

  1. Wrosch et al. (2003)

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